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第34回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」部門賞 選考結果

2025.10.02

各位

一般社団法人日本フラメンコ協会
会長 小林伴子
理事長 鍵田真由美

第34回 フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」
部門賞 選考結果

拝啓 清秋の候、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素より格別のご支援を賜り、誠にありがとうございます。
さて、先般、9月24日(水)・25日(木)・26日(金)の3日間、神奈川県立青少年センター 紅葉坂ホールにて開催いたしました「第34回 フラメンコ・ルネサンス21 新人公演」につきまして、本日「選考会議」を行い、各部門賞を決定いたしました。ここに、その選考結果、ならびに選考過程の概要と総評をお知らせいたします。

敬具

 

[カンテ部門]

奨励賞 該当者なし

準奨励賞 C-1 齋藤克己

本年度の選考では、選考委員6名(会場=石塚隆充、佐藤浩希、有田圭輔、今枝友加、マヌエル・デ・ラ・マレーナ/映像=エンリケ坂井)より、C-1齋藤克己氏に奨励賞1票(映像選考0.5pt)および準奨励賞1票(会場選考1pt)、C-6西浦知実氏に奨励賞1票(会場選考1pt)、C-4平井みゆき氏に準奨励賞1票(会場選考1pt)、該当者なしに2票が投じられた。賞への推薦はなかったものの、好印象を残した出演者として、C-3渡辺都美氏、C-10松林由美氏の名が挙がった。これらの結果を踏まえ、石塚委員、佐藤委員、有田委員、今枝委員、および日本フラメンコ協会理事会にて協議を行った。

2名の奨励賞候補はいずれも1票にとどまり、授与基準には達しなかったが、齋藤氏は奨励賞および準奨励賞で計2票(1.5pt)を獲得した。その内容について議論の末、曲の特性をふまえた表現やスペイン語の発音・発声に課題を残すものの、人生をフラメンコに捧げてきたアフィシオンに満ちた歌声と芸の力を高く評価し、準奨励賞の授与にふさわしいと判断した。

今年の新人公演カンテ部門を通じて、選考委員一同、改めてカンテの険しさと奥深さを痛感した。基礎的な部分が十分に培われていないため、いわゆる「基準」に基づく評価に至るにはまだ距離がある。特に発声、コンパス、ペソを伴った表現といった根幹を、一つひとつ丁寧に積み重ねていくことが不可欠である。

その一方で、困難に真正面から挑み続ける姿勢からは確かなアフィシオンが伝わってきた。カンテは深海のように恐ろしくもあり、同時に強い希望を抱かせる存在である。スペイン語の発音や音程、コンパス感についても、外国人である私たちにとってはまず完全コピーから学ぶことが出発点となる。その途上にあっても、一歩ずつ積み重ねることに大きな意義があり、とりわけ「一曲を徹底的に研究する」という姿勢が次の飛躍につながっていくだろう。まさに“一曲入魂”で舞台に立ち、歌声を響かせる度胸は素晴らしい。新人公演カンテ部門がその求道の歩みにおける一里塚となることを願い、カンテに携わる全ての人に心から「Ole!」を送りたい。

以上

 

[ギター部門]

奨励賞 該当者なし

準奨励賞 G-1 井本 錬/ G-2 上遠野 忍

本年度の選考では、選考委員4名(会場=今田 央、ペペ・マジャ・マローテ 映像=沖仁、加部 洋)より、G-1井本氏に準奨励賞1票(会場選考1pt)、G-2上遠野氏に1票(映像選考0.5pt)、該当者なしに2票が投じられた。この投票結果を元に、今田委員、沖委員、および日本フラメンコ協会理事会にて選考を行った。

井本氏、上遠野氏はいずれも2年連続の出場となり、両者ともに昨年からの確かな成長と進歩を感じさせる素晴らしい演奏を披露した。その詳細は後日公表する「講評」にて紹介する。

奨励賞は明確な基準に基づくものである一方、準奨励賞は今後の飛躍に期待して贈られる賞である。若き井本氏には、さらに大きく羽ばたいていくことを願い、経験豊かな上遠野氏には、謙虚に挑戦を続ける姿勢への敬意を込めて、このたび両名への授与を決定した。

この受賞は、選考委員会および協会からの心からの祝福とエールである。どうかこの喜びを胸に刻みながら、さらなる高みを目指して、次回以降も挑戦を続けてほしい。

以上

 

[バイレ群舞部門]

奨励賞 Bg-3 Célula

準奨励賞 該当者なし

本年度の選考では、選考委員5名(会場=石井智子、佐藤浩希、森田志保、今枝友加/映像=アントニオ・アロンソ)より、Bg-1 Célulaに奨励賞3票(会場2pt、映像0.5pt)、準奨励賞1票(会場1pt)、該当者なし1票が投じられた。これらの結果を踏まえ、石井委員、佐藤委員、森田委員、今枝委員および日本フラメンコ協会理事会にて協議を行い、Bg-1 Célula(荒濱早絵、川松冬花、佐藤陽美、中里眞央、脇川愛)の得票は奨励賞授与の基準を満たすものとして、授与を決定した。

フラメンコは本来ひとりで踊るものであり、それを群舞として成立させるには、作品の魂を損なわずに舞台化するための深い知識とセンスが求められる。その観点から見ても、Célulaは確かな技術と表現力を備えたメンバーが揃い、精密なフォーメーションと迫力ある舞台を作り上げた点で高く評価された。

一方で、構成や振付には既視感が残り、精神性の深さやパロへの理解といった点において課題も指摘された。群舞が単なるエンターテインメントに終わらず、フラメンコの本質に迫るためには、さらなる探求と独自性の追求が必要である。

とはいえ、協調性や足さばきの正確さ、リズム感において今回出場者の中で際立っていたことは確かであり、その揺るぎない実力と将来性に大きな期待を寄せたい。今後はこれまでの延長線上にとどまらず、新たな群舞表現の可能性を切り拓いていくことを強く望む。

以上

 

[バイレ・ソロ部門]

奨励賞 Bs-16 JURINA/ Bs-30 中山みのり/ Bs-31 山本由紀/ Bs-37 堀口心太朗

準奨励賞 Bs-09 鈴木映留捺/ Bs-43 小林由佳

本年度の選考では、選考委員7名(会場=石井智子、森田志保、鈴木敬子、セルヒオ・アランダ/映像=佐藤浩希、伊集院史朗、三枝雄輔)が、全54名の出場者に対して最大5名を推薦する形式で投票を行った。その結果を踏まえ、佐藤委員、石井委員、森田委員、鈴木委員、伊集院委員、アランダ委員、三枝委員、および日本フラメンコ協会理事会にて協議を行った。

54名の得票状況の概要については後日公表する「講評」に譲るが、今年度は突出した票数を得た候補者が存在せず、奨励賞の授与基準をいかに保ちつつ、同時に応援と奨励の意を伝えるかという点で、所定の時間を超えて真剣な議論が重ねられた。

奨励賞を受賞した4名はいずれも全員一致の支持には至らず、票は分散した。これは出場者の実力が拮抗していたことの表れであると同時に、選考委員がそれぞれ異なる観点や価値基準、多様な審美眼に基づいて、それぞれの受賞者に可能性を見出した結果でもある。光る要素も一様ではなく、ある者はテクニカの確かさで、ある者は振付や表現力で、またある者は内面からにじみ出る精神性で評価を得た。一方で、作品全体の完成度、伴奏ミュージシャンとの関わりや選曲、さらには曲の理解をどう身体で表現するかといった点では、さらなる深化を求めたい場面も少なくなかった。

受賞者には、この成果を自信とし、さらに挑戦を重ねてほしい。そして惜しくも受賞に至らなかった出演者にも、今回の舞台で得た経験を力に変え、未来へと大きく羽ばたいてほしい。すべての挑戦者に心からの祝福とエールを贈る。

以上

 

[本件に関するお問合せ]
一般社団法人日本フラメンコ協会
(担当・文責) 事務局長 瀬戸雅美
seto@anif.jp


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