ページが見つかりませんでした – ANIF日本フラメンコ協会公式サイト www.anif.jp https://www.anif.jp 日本フラメンコ協会のWEBサイトです Thu, 28 Mar 2024 05:20:28 +0000 ja hourly 1 第32回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」受賞者コメント・講評 https://www.anif.jp/event/shinjin/320322.html https://www.anif.jp/event/shinjin/320322.html#respond Fri, 22 Mar 2024 09:16:53 +0000 https://www.anif.jp/?p=8930 第32回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」の受賞者コメントと講評をUPしました。 ⇒奨励賞受賞者のコメントはこちら ⇒選考委員の講評はこちら

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第32回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」の受賞者コメントと講評をUPしました。

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第32回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」 https://www.anif.jp/event/shinjin/comment_shinjin/32.html https://www.anif.jp/event/shinjin/comment_shinjin/32.html#respond Fri, 22 Mar 2024 08:49:27 +0000 https://www.anif.jp/?p=8911 第32回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」 奨励賞:カンテ部門(出演日、プログラム順表記) 寺崎 恵子 奨励賞:ギター部門 凜-Rin- 奨励賞:バイレ/群舞部門 LLAMAS DE FRAGUAS 奨励賞:バイレ/ […]

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第32回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」

奨励賞:カンテ部門(出演日、プログラム順表記)
奨励賞:ギター部門
奨励賞:バイレ/群舞部門
奨励賞:バイレ/ソロ部門

準奨励賞:カンテ部門

準奨励賞:バイレ・ソロ部門

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第32回フラメンコ・ルネサンス21「新人公演」 https://www.anif.jp/event/shinjin/criticism_shinjin/kohyo32.html https://www.anif.jp/event/shinjin/criticism_shinjin/kohyo32.html#respond Fri, 22 Mar 2024 08:49:12 +0000 https://www.anif.jp/?p=8894 選考委員(名前から各講評へリンク) 三澤勝弘 有田圭輔(ここからカンテ) 石塚隆充 川上茂信 川島桂子 中谷伸一 今田 央(ここからギター) 沖仁 片桐勝彦 加部洋 鈴木英夫 伊集院史朗(ここからバイレ) 市川惠子 井上 […]

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選考委員(名前から各講評へリンク)

三澤勝弘(会長、ギタリスト)【G】

この度の公演(第32回)も、また記憶に残るものとなりました。まずは参加された皆様に感謝を申し上げます。そして奨励賞受賞の方たちに心からの祝意を述べさせて頂きます。惜しくも選に至らなかった方、あるいは準にとどまった方たち、次へ向け新たな歩を進めて行かれることを期待しております。

 次に今回の新人公演についての私なりの所感を述べたいと思います。まずは私が担当致しましたギター部門から。

 

 ギター部門:奨励賞受賞の凜-Rin-さん、とても素晴らしく、美しさに溢れた演奏でした。また技術的にもとても優れておりました。またただ、私個人としては、もう少しフラメンコ感が欲しいと思いました。/吉良剛さん、この方も大変素晴らしく、そのフラメンコ歴からも、なるほどと思われる部分や音色もありました。しかしながら、やはりフラメンコならではの「美」には少し遠かったのでは、と感じました。次の参加が待ち遠しく思っております。ご自身の長所を十分に活かした演奏で。

フラメンコギターは、伴奏時も含め、他のいかなる分野の音楽にも後(おく)れを取ることはなくーそのような事を声高に言われた時期もあったーむしろ、他の分野の音楽では表現しえぬ、あるいは困難さを伴うかもしれぬ心情の様を、アンダルシアの土で育まれた、深く激しい哀しみの美でもって生み出すことの出来る希有な存在なのかもしれません。そう思っています。進歩・進展もあるのでしょうがまだまだ深化の余地は量りがたく在ります。余地とは言いましたが、本質と言い換えます。

 

次は私の担当外のことですが、感じた事ごとを簡単に述べたいと思います。

 

カンテ部門:近年はとてもレベルの高さを感じております。ただ全体に線の細さが感じられたのは事実です。受賞された寺崎恵子さん、美しく歌われました。個人的には、多くの方と同様に線の細さが気になりました。今後の活躍をとても期待しております。おめでとうございます。準奨励賞の岡村佳代子さん、歌い回しがとても良いと思いました。次を期待しております。その他の方たちの中では、ファンダンコの大西やすたかさん、感情の起伏を繊細かつ大胆に、そして丁寧に。何かひとつしっくりきませんでした。とても期待しております。ルンバで参加された工藤彩子さん、全体により大きな歌い回し、力強い輪郭を望みます。とても楽しみにしております。 他の方々も、実力的にはとても接近しており、次がとても楽しみです。

 

バイレ・群舞部門:今回の5組の方々、とても素晴らしく、群舞の魅力と面白さが実感できました。受賞されたLLAMAS DE FRAGUASの皆様おめでとうございます。

 

 最後に、バイレソロ部門:今回も素晴らしいバイレを満喫しました。受賞された、藤岡里織さん、吉田智宏さん、中里眞央さん、畑中美里さん、荒濱早絵さん、おめでとうございます。これを機に更に進んで行ってください。準奨励賞の片野佳加さん、地紙直美さん、あと少しですね。その他の方も拮抗状態、とても期待しております。その中で個人的に気に止まった方たちを列記させていただきます。15番瀧野晴美さん、24番伊藤美恵さん、29番小野寺麻佑さん、31番加藤のぶ子さん、33番橋爪潤子さん、52番川田久美子さん、54番常盤直生さんたちです。

 

 当日会場に足を運んで下さった皆様、配信でご覧になられた皆様、心よりのお礼を申し上げます。そして、制作スタッフの皆様、有り難うございました。また来年お会いしましょう。

有田圭輔(理事、カンタオール)【C】

昨年に続き、今年もカンテ部門選考委員を務めさせていただきました。

 今年のカンテ部門出演者からは全体的にフラメンコの本来持ってる熱量をあまり感じられなかったなと思っています。レトラの持つ意味を調べてもなかなか現代の日本では実感もなく、おそらくスペインにおいてもそうだとは思いますが、意味よりも、揺れ動くコンパスの中をどう歌で表現するかが大切だと思ってます。やはり技術的なことはどうしても必要で、それは考えすぎない純粋さからも、スペイン語の特性からも出てくるように感じてます。

 1コンパスは12拍とか、そういうことではなく、一つのレトラを歌うことが一つのコンパスだと。もっと言えば自分が歌い始めて、歌い終わるまでが大きなひとつのコンパスだと考えて、いろんなスペイン人のフラメンコの歌を聞いてもらえるといいなと感じました。

 特に、レトラの中の単語に追いかけられてるように感じる出演者が多くて、もっと単語ではなく言葉として何を言うのか、どう言ってるのかに重きを置いて、耳コピをしっかりしていくといいのになと感じた人が多かった印象です。

 僕の生徒さんにも最近よく言うのですが、レトラは一旦置いておいて、耳から入る感覚で、歌がある程度自分の中に入ってからレトラを見て、答え合わせをすると、こんな単語はここまで存在感無くなるのか?とか、この単語の頭はほとんど聞こえないね、とかいろんなことがわかると思います。日本のポップスでも、歌はよく知ってるけど歌詞カード見ないと歌えないことが多いのと同じだと思ってください。

 ぜひこのやり方を実践してほしいなと思った今年の新人公演でした。

 以下、各出場者のみなさんに簡単ですがコメントさせていただきます。各個人宛に書いてますが、皆さんへの共通項目も多いと思いますので、出演者皆さんの中で共有してもいいことだと思いながら書きますね。

・中嶌遊子さん 全体的にカポタストのポジションが低く感じました。鋭さが欲しい。力感を当てる場所はいいですが、ビブラートが気になります。もっとコンパス感を大切にすることを考えて歌えると良くなると思いますよ!

・田村めぐみさん サリーダがとても軽く感じるのが気になりました。ギターの弾いてるコンパスを受け取ってしっかり温めて、ギタリストの延長のようにサリーダを歌えるといいと思います。ウラでしっかり捉えるように。Macho de Caí はもっと全力で!

・佐藤翠れんさん リブレであろうとコンパスは流れてるので、そこはしっかり学んでいきましょう。音程は丁寧に取ってますが、音が降りてくるときのメリスマがもっとハッキリして欲しかったです。そしてコンパスをしっかり動かす力が欲しいです。Que cuantoのcuantoが突き抜けるようになるといいです!他のとこもおなじく。

・彦坂百合さん 声はいいです。音程の上下する部分は音程の上げ下げでリズムのウラを取ってます。もっとこのメリスマを丁寧に勉強できるといいです!コンパスが途切れて聞こえるので、しっかり繋げていけるように。あと、レトラを単語で追いかけているので、もっと言葉にしましょう。耳コピを大切にしてください。

・大西やすたかさん 難しいFandangos naturalesに挑戦!とても繊細な歌なので強さよりも内側の繊細な部分をもっと勉強するといいと思います。音の出だしを、音程の下から当てる癖が気になりました。少し演歌のように聞こえる時があるので、もっと母音にアセントを持っていけるようになると良くなると思います。

・石黒和栄さん 音程をもっとしっかり捕まえましょう。音程が動くスタートと終わりのところが適当に処理してるように聞こえます。ウラで取る意識がしっかりすればもっとコンパス感が出てくると思います。カポはもっと上げていいと思いますよ。

・熊谷善博さん くまさんは力みがないのがいいです。いくつかの場所で声を大きく出そうとしてるように感じましたがそれもいらないと思います。Yo no se por dondeのあたり、焦らずゆっくりコンパスを使えるといいです。音程を上げるときに焦って聞こえるので、もっとゆったりいきましょう!時々こもったように聞こえる声はナチュラルにできるといいと思います。

・寺崎恵子さん サリーダから変な力みもなく心地よく聞けました。音程、メリスマも丁寧に展開していて好感が持てました。音量が小さくなるところを、もっと我慢(aguantar)できるといいと思います。単語がもっとレトラの中に馴染めるといいと思います。一度レトラは目隠しして、聞こえる音をしっかり自分に確立させるともっと良くなると思います。佇まいがいいです。ナチュラルに自分の歌にできてきてると思いますよ!

・渡辺都美さん 音程はよく取れてますが、コンパスの動きがほしいです。単語が際立ちすぎていて、レトラを読み上げているように聞こえるので、もっと言葉として成立できるよう、耳コピを大切にしてください。いい味はありますので!

タンゴへのカンビオはできれば自分の歌からできるようにしましょう!

・近藤リナさん 全体的に歌謡曲のように聞こえました。おもてノリがとても気になるので、しっかりソレアのコンパスを身につけて行きましょう!ゆったりした曲は特にウラ拍で捉えることを大切にしてください。

・中村一郎さん フラメンコの歌はこうだ、と考えすぎているように聞こえます。もっと子供が歌うようにあまり考えずストレートに音階とレトラをたどるといいと思います。スペイン語にも聞こえてこないのでなるべく、耳からの情報を大切にしてトライしてください。

・永積裕二郎さん コンパスがブツブツと切れて聞こえ、全体的に一本調子に聞こえます。もっと繋げていくことを大切に。単語を追いかけすぎて言葉に聞こえてこないです。早く回すところなどはもっとゆったりとしてみてください。おもてノリに気をつけて、特に最後のレトラなどリズムとレトラの関係性を検証してみてください。

・岡村佳代子さん しっかり歌えてるので声の抑制の仕方を覚えるといいと思います。音程が低めのレトラの時は日本人っぽいですが、高くなるととてもいいニュアンスが出ます。コンパス感も高い歌の方がいい。低くなるととたんに歌謡曲化してしまいます。佇まいもとてもいいし、パルマの打ち方もいいですがピトの打ち方が昭和歌謡みたいに見えます。ピトも自分の内側に入れていく意識で打ってみてください。

・工藤彩子さん 昨年に続き、とてもいいルンベーラでした。立ち姿もいいし、歌も上手い!しかし、ここの部門での評価が難しいですね。やはりおもてノリが主軸になって聞こえるので、もっとスペイン語らしく聞こえるのは、アセントのポジションとリズムを融合させることだとも思います。あと、ぼくのイメージですが、昔スペインで見たルンベーラはえげつなさをとても持っててそれが楽しかった!ぜひそこを見つけて欲しいと思いました。綺麗にまとまらないでほしいです。

石塚隆充(理事、カンタオール)【C】

1.中嶌遊子(シギリージャ) 声は出ている。サリーダの発音、とくに母音の研究をさらに。歌いたいイメージはみえる。メリハリをつけて。フラメンコ的な声のアタックがイマイチ。

2.田村めぐみ(ソレア) サリーダ良かった。音程の甘い箇所が有る。発音の研究を。母音は喉の拡張が必要。身体全体で歌えると更に良くなるのでは。

3.佐藤翠れん(アレグリアス) 伸びる声は良いが、その技術を曲中、全体的に使ってしまうとメリハリが無くなってしまう。バランスを考えて。発音の甘い箇所が多々あり、目立つ。

4.彦坂百合((ブレリア・ポル・ソレア) サリーダは悪くない。更に発音の研究を。全体の流れは良い。母音の発音の際、喉の各地が必要。アフィシオンを感じました。

5.大西やすたか(ファンダンゴ) サリーダの見直し。発音、発声の改善。Fandango は話す技術がとくに必要とされるので、それも含めて更なる研究を!

6.石黒和栄(ペテネーラ) 母音で伸ばす際、音の響きが変わってしまい、違和感を感じる。音程をしっかり取りましょう。執拗に伸ばしすぎ。もたついて聞こえてしまう。もっとメリハリつけて、サクッと歌うと良くなる。

7.熊谷善博(シギリージャ) 母音のI(イ)とE(エ)の時に口の奥に声がこもりがち。発声の見直しが必要。昨年に比べては良いと思いました。スペインにもこういうアフィスィオナードがいそうです。とは言え、更なる研究を。

8.寺崎恵子(グラナイーナ) サリーダと1番の歌の音程が少し上ずるが、それ以外はベター。2番はしっかりと歌えていて良かった。全体的に歌の流れは良い。更なる研究を!

9.渡辺都美(ティエント・イ・タンゴ) サリーダの音程が不安定。発音の見直し。参考となった音源がある場合、それを熟聴し細かい部分の再現を。急がず、ゆっくり取り掛かることが大事です。

10.近藤リナ(ソレア) 音程の幅が広い難曲を選択された事は勇敢です。とはいえ、低音の不安定さがとても気になりましたが、高音の伸びは良かった。

11.中村一郎(ティエント) サリーダの発音の見直し。メロディラインが不自然。音程に気をつけて。カンテが好きなのは伝わってきました。更なる研究を!

12.永積裕二郎(アレグリアス) 発声、発音の見直し。音程の不安定さの改善が必要。参考音源をしっかり聴いて、細部までしっかりと再現できるようにチャレンジしてください。

13.岡村佳代子(カンティーニャス) 歌の技術は良い。全体的にも良い。歌えてしまうから各フレーズのシメ方が間延びする。発音の見直し必要。母音の発音の喉の拡張は以前より良くなったとはいえ、更に広くなることを望んでください。

14.工藤彩子(ルンバ) 母音の際、喉の拡張を。歌は良いと思うが、母音でフレーズを伸ばす際、声がこもって聞こえてしまうので、明るい声が出ると良いのでは?

川上茂信(外部有識者/東京フラメンコ倶楽部)【C】

まずは、奨励賞の寺崎恵子さん、準奨励賞の岡村佳代子さん、おめでとう御座います。お2人は、技術的に言って他の参加者と明らかな違いがあり、順当な結果だったと思います。

 一方、別の観点から取り上げたいのが4人のおじさんたちです。この人たちの歌は、聞いていて楽しかった。多数派の女性の声に混じって時々聞こえるおっさんの声にリラックス効果があっただけなのかも知れませんが、もしかしたら、彼らの歌には上手く歌うことよりも大事なものがあることを気づかせる何かがあったのかも知れません。勿論、新人公演の場で評価の対象になるのはまず技術ですから、実際上手くはなかったこのおじさんたちは賞の対象にはなりませんでしたが、私の周りで中村さんや永積さんが良かったと言っていた人が複数いたことは報告しておきます。

 さて、今回の具体例から離れた一般論になりますが、上手く歌う (あるいは上手く聞こえるように歌おうとする) ことより大事なことというのは、aficiónを持つということでしょうか。Afición というのは、単に「好き〜」と思うことではなくて、フラメンコの伝統への respeto を持ち続けることが重要な要素だと思います。根っことなる「古いカンテ」を聴き続けること、最初は好きじゃなくてもとりあえず聴き続けること、ちょっと慣れてきたらさらに聴き続けること、あれとこれが自分の中で繋がってきたらどんどん聴き続けること、とにかく聴き続けること。Afición を持つと言いましたが、育つのを待つと言った方が良いかも知れません。今回参加した皆さんには、今持っている afición をさらに大きく育て上げて欲しいと思います。特に、今回歌った形式とは異なるものを沢山聞いてください。

 技術的な側面で多くの人に当てはまることとしては、やはりスペイン語の発音です。個々の音 (u, l/r, f など) などはもちろんですが、音節のまとまりや単語のアクセントを意識するようにすれば、より良くなるでしょう。言葉のアクセントとコンパスの絡みはカンテの面白いところなので、これが意識できるようになれば、多くの人が引きずっている日本のポップス的ノリや演歌ノリから脱却するヒントになるかも知れません。

 奨励賞の寺崎さんは丁寧に歌っていたと思います。グラナイーナは叙情性が強調されることがありますが、実質的にアントニオ・チャコンが創りマヌエル・バジェホがドラマチックにした形式で、歌うにはそれに見合ったエネルギーが必要です。その点で、ちょっとエネルギー不足だったように感じました。また、スペイン語の発音にも気をつけてください。それから、時にギターが先走るというか、カンテがしかるべき音まで降り切らないうちに特定のコードを弾いてしまったように聞こえる瞬間があり、興を削がれました。これはギターの問題かもしれませんが、そうならないように歌い手が伴奏者ときちんとコミュニケーションを取るべきでしょう。

 準奨励賞の岡村さんは上手くまとめていたと思います。ただ、「ずっと温めてきた Niña de los Peines」をやるというので、ある意味期待していたのですが、Niña de los Peines のどこが好きなのか、私には聞こえてきませんでした。また、タイトなリズムでグイグイ進むのが悪いとは言いませんが、もう少し余裕があった方がカンティーニャスらしくなるかなと思います (速さのことではありません)。スペイン語に関しては、力を入れるところが言葉とリンクするように気をつけましょう。また、フレーズのまとまりも意識するようにしましょう。

川島桂子(理事、カンタオーラ)【C】

昨年に引き続き、選考員をさせていただきました。

今年も自分のことを棚に挙げて、感じたことを述べさせていただきます。

個人への講評のなかに一般の話も混ざっています。

またこの内容は、当日舞台を見て感じたことに限り述べており、ライン録音された配信には関知していません。そこにギャップがあることは承知の上ですので、何卒ご了承ください。

奨励賞は、お名前の前に★がついている2名のかたに投票させていただきました。

 

1.中嶌遊子 シギリージャ

よく練習をし、歌い慣れていらっしゃると感じました。「気を付けるべきことを気を付ける」ことも、実践されていると思います。気になったのは全面的に放埒にかかってしまうビブラート、それにより音階(escala)が甘くなること、さらに歌詞が潰れてしまう (特に低音)ことでした。強く歌うつもりで声を張る場合に、ビブラートがかかりすぎるとカンテに聞こえなくなることが多く、違う強さ(むしろ和風な)になってしまいます。声量もある方なので、これらも気を付けるべきこととして、コントロールをさらに研究なさるとよいと思います。

 

2.田村めぐみ ソレア

カディスのソレア。声もよく、音程もよく捉えられて、よく学ばれていると思います。私だったらな、と思うに、この種のソレアを歌うときには、スピード感や軽快に切り込んでいく感じ、どこかとぼけたところもあるくせに、ねっとりしない強さがあるコンパス…とかに重きを置いて歌の世界をイメージしていくと思います。特に「que me toquen arrebato ~」の歌詞なんかは、怒りや狂いが含まれていたいと思うのです。鉄火肌に、もっと速く(実際のスピードはともかく)、コンパスの前髪をつかんで連れていってもらえたらな、と思います。音程や語尾を整えているうちに、時は過ぎていってしまうので。

 

3.佐藤翠れん アレグリアス

素直な声が、まるで本の読み聞かせをされるように私の中に入ってきました。若干歌謡曲よりに聞こえたりもしましたが、シンプルに語れる資質というのは大切だと思います。もう少し強い表現も身に付けられるとさらによいと思いました。歌詞の並べ方は自由ですが、それぞれのスタイルの本来の味を飾らずに歌って聞かせていただけた方がたぶん私は好きでした。いずれにしろ、この先どんどん歌っていただきたいです。ちなみに、翠れんさんの旅の道連れのようなYunaさんの伴奏が秀逸で、印象に残りました。

 

4.彦坂百合 ブレリア・ポル・ソレア

川島が月一回くらいレッスンさせてもらってます。何年も前から自己流で踊り歌を歌って、コンパスからもスペイン的なカンテらしさからも離れていることにあまり気づかずに自分の穴蔵に閉じ籠っていた人でした。一度ついてしまった自分流の「歌い癖」「リズム癖」「聞き取り癖」は、チャラにするのがスゴく大変で、よりによってブレリア・ポル・ソレアで出ると言われたとき、「すんごい大変だよ」と言い、技術以外のこともケチョンパンに言う私に、それでも食い下がって、やっと自分で扉を開けてきた人です。本番楽しそうでよかったです。大きな舞台でその一歩が踏み出せたこと、おめでとうございます。そしてさらに暗黒宇宙の旅を楽しんでいけるよう、地力をつけていきましょう。

 

5.大西やすたか ファンダンゴ

ずいぶん歌うことに慣れられたのだなあ、でも、新人公演となると力が入りすぎたりするのかなあ、発声が何やら不自然な感じだなあ、と思って聞いていました。私もけっこう喉を絞ったり力んだりしがちな方ですが、演歌の唸りっぽくなっちゃわないようにと…つまり自然発生的になりますように、パターンになりませんようにと…祈りながら歌ってます(笑)。ただ、その歌い口には大西さんの優しそうなお人柄が出てもいるなと感じました。個人的にはこんど、ソレア・デ・カディスをゆっくり聞きたいです。

 

6.石黒和栄 ぺテネーラ

昨年も感じたことなのですが、ご本人の音域と歌われていることが実はあまり合ってないんじゃないかなあ、一番魅力的な声の辺りをあまり出せない選曲かなあ、と感じています。昨年のグラナイーナに続き今年のペテネーラも、かなり音域が広く、呼吸感や咽の能力が問題になる曲種ですが、お気持ちと曲の特性にギャップを感じると言えばよいでしょうか。この手の曲はシャウトしても駄目で、escalaが曖昧だと何をやっているのか伝わらなくなってしまいますので、その辺りをじっくり研究されたらよいと思います。

 

7.熊谷善博 シギリージャ

熊さんのシギリージャ。頑張ってる!新しいこと(新しい自分)にも挑戦してる!ちょっとだけ弱腰だけど!その挑戦心にÓLE!!カンテは、善くも悪くも自分の癖を強化するのは簡単なのです。そこに居着いてしまうことも。気づかずにいることも。…それでも歌えてしまうので。自分をぶっ壊さないとカンテそのものには近づけないと気づいた人にしか気づけないことが、山のようにあります。熊さん、また挑戦続けてください。

 

8.★寺崎恵子 グラナイーナ

私のメモに「◎好き」と書いてあります。voz finaなサリーダのtiriaaaaだけで惹き付けられる。繊細で素朴、飾り気がなくノンビブラートで、密かな強い心を感じる響き。歌全体はとても丁寧で、メリスマもよく頑張って捉えていて良いのですが、それよりもっと大切な「グライーナという歌の構造、特質」について切実に迫ろうとしている、その歌にはストーリーが感じられます。コンパスがある。磨かれ中の原石、さらに様々な歌も歌って欲しい将来性を加味し、奨励賞に推しました。素敵なアフィシオナーダだと感じます。

 

9.渡辺都美 ティエント イ タンゴ

都美さんらしく丁寧なティエント。以前より発語が明瞭で、声もよく伸びロングトーンにも魅力があると思いました。もう少し高い音域でも行けるんじゃないでしょうか?低いトノの、ペソと言うよりくぐもる感じはもったいないと思います。ay amor 以降乗ってる感じもよかった。一つ気なったのが、ティエントにもタンゴにも、凝った半音が出てくる(マヌエルの歌い方)のですが、その音はハッキリ意識して音程を歌わないと、半端な感じ(伴奏の和音もごちゃつく)になってしまうので、オーソドックスに歌うかセミトノを使うか、違いを明確にしながら歌っていかれるとよいと思いました。歌の色合いにとても影響することなので、ぜひ味わいながらギターと歌ってみてください。

 

10.近藤リナ ソレア・アポラー

凄い声です!ソレア・アポラーを歌うには、圧倒的に声の能力が必要で、注目されがちな高音については全く手に入れられているリナさんです。あー、残念、と思ったのは低くなったときの、声の存在と歌詞が弱くなってしまったこと。歌のオチは低音の時にやってくるので、ここは明瞭でいてほしい、私はできないけど!さらに、音程もしっかりして美声、ならばあえてもっとシンプルに、コンパスを操って歌っていただきたい。全体的に、ちょっと叙情的・人工的過ぎに聞こえました。修練し、磨きすぎてエッジが無くなっちゃった金物みたいに。アポラーは美しい曲ですが、ある意味素朴でもあると思います。「自然に」「素朴に」「語るように」は、カンテの重要な要素だと思います。

 

11.中村一郎 ティエント

楽しそうです。アンダルシアにもたまに音程とかコンパスとかハチャメチャだけど楽しそうな人がいて、周りも幸せそうです。そういう彼らのエネルギーの元になっているスペイン人の原曲を、もっとじっくり細かく聞き込んで、ひたすら真似なさることをお勧めします。「ちょっと違うみたいだけど」と思ったら、やり過ごして歌ってしまわないことです。よく観察せねば。「歌う」ことより「わかる」ことの方が価値があります。今回は、歌の落ちるところや繋ぎ目(つまりスゴく重要な箇所)が、様々曖昧になってしまっていました。よくよく聞いて真似していると、結果違っても、形に現れないところが似てきて、しみじみこちらも味わえます。

 

12.永積裕二郎 アレグリアス

しみじみの方です。声質もよく、ややシャクリ気味ながら飾り気なく、「味がある」とも言えます。おそらくパラ・バイレの歌なんかには全然興味なく、好きな歌を何度も聞き、聞こえるように歌ってみた、という新鮮さを相変わらずお持ちです。正直な話、コレティージャのコンパスとかいろいろ変だなぁ!と感じますが、「まあいいか」と思わせられる不思議な説得力があります、あれ?誉めてないけど誉めてます。貴重なアプローチをされてます。書いてしまって言うのも何ですが、先行きこういう新鮮さを持ち続けるのは不可能です。だんだん知って行ってしまうと。でも永積さんにはいつもカンテに出会ったときの驚きを忘れないで歌って行って欲しいです。自ら「味」なんかを目指し出したら、「アウト!」って私が言うでしょう。

 

13.★岡村佳代子 カンティーニャス

何年か地味にくすぶっていた岡村さん、やっと弾けた姿を見ることができたと、嬉しく思いました。パストーラのカンティーニャ。並べ方、曲の構成など、過不足無くパストーラなのだが、声や節回しの持ち味は岡村さんご本人のもの。あのカンティーニャの丸く転がっていくようなコンパス感が全編にあり、歌詞の持って行き方(発語、発音)も自然。音程も言わずもがな。爆発したい心と安定した歌い口が相乗作用で作った場だと思います。幸せになる歌でした。

 

14.工藤彩子 ルンバ

もう完成度が高いのはわかっているので、コピーを離れて自分の声と言葉で歌って欲しいと思います。そうすると振りも変わってくるのでは?他の部分の語り方に比べて、語尾の伸ばし方、声色の変え方が、チャチャさんのデフォルメのように聞こえました。ルンベーラ特有のアセントはあっても、歌詞の語り方はもっと十人十色、時によっても違うと思います。私は「今の彩ちゃん」が見たいし、ルンベーラというものにどう迫りたいのかが知りたいです。

 

以上です。

若い世代がなかなか出ていらっしゃらないですね。評価に関係なく、カンテ・フラメンコそのものにまっすぐ向かい合ういい機会として、新人公演を捉えていただけるといいなと思います。

中谷伸一(外部有識者/評論ライター)【C】

カンテ部門の選考にあたり、筆者は以下4つの基準をもって審査にのぞんだ。

①歌詞(=レトラ、コプラ)の意味が伝わるか

②音声としてスペイン語に聴こえるか

③音程・リズム・メロディは正確か

④「フラメンコ」と呼べる熱量はあるか

日本のカンテ界は、踊り伴唱「=パトラス」が大半であり、③が最も優先されてきた。でなければバイレ・カンテ・ギター、三者暗黙のアンサンブルが崩壊するからだ。音楽的な正確さを求められる点では、一種のヴォイス・ミュージシャンといっていい。しかし、このたび選考するカンテ・ソロ「=パランテ」は別のステージである。求められるのは“歌手”としての伝達能力だ。母国語ではないスペイン語に、どれだけ切実な思いを込められるか? そのスペイン語でカンテの本質が聴衆に伝わるのか? 筆者が最も重視した点はそこだ。

C-1 中嶌遊子(シギリージャ)/サリーダから中盤まで、残念ながら歌詞が全く聞き取れなかった。喉声がくぐもって発音が明瞭でなく、抑揚も乏しいので全体の印象が曇って平板になってしまっている。地声を腹から力強く発し、レトラの意味を観客に伝えようとすること、シンプルにそれだけに傾注することで大きく変わるのでは。

C-2 田村めぐみ(ソレア)/声量と発声の明瞭さは十分。最初のレトラ「a la mare demi alma, lo que la camelo yo…」、2番目「Que toquen a rebato que la campana delolvido…」ともに良く聞こえた。一方、声量が上がった3つ目のレトラから、各単語が埋没して団子気味になったのが残念。フルボリューム時のメリハリ、不安定な音程部分の克服など、細部の丁寧な修正が課題か。伴奏の山内氏は古きソレアの美点を提示して見事だった。

C-3 佐藤翠れん(アレグリアス)/コンパス(リズム)の躍動感が生命線の曲種なので、ご自身でパルマを叩いて盛り上げようとしたが、叩き方が今一つ弱く自信なげに見え、逆にマイナスポイントになってしまった。アレグリアスは朗々と歌うより、発語と語尾のキレを重視し、リズムに乗って声を前面に押し出す華やかさを意識すれば。ラストは盛り上がった。

C-4 彦坂百合(ブレリア ポル ソレア)/サリーダ終わりの「ジャジャ~」の最後の音が宙ぶらりんの曖昧な着地で残念。形式上は声慣らしだが、スタートダッシュで印象点を稼げるパートなので勿体なかった。声量はあり、レトラも聞こえた熱演型なのだが、音程が所々不安定で、スペイン語がアクセントに乏しく一本調子になりがちだった。とりわけ歌詞に対するより一層の感情移入が、改善の最大のポイントと思われる。

C-5 大西やすたか(ファンダンゴ)/「アリリアンダ…」と始まるパケーラのサリーダから、一聴してすぐわかる「ザ・カタカナ発音」だが、黒ジャケットに白シャツのフラメンコ的正装といい、真摯な取り組みぶりが好印象。本人の熱がストレートに伝わるので、現地ペーニャでも受けそうな歌いぶり。今のままでも日本人の筆者にはレトラは聴こえるが、ネイティヴに発音を矯正してもらうと、劇的に好転するのでは。最後の「una palomablanca yo te traigo…」は久々に聴き懐かしかった。

C-6 石黒和栄(ペテネーラ)/トップが黒、スカ―トが黄系で、厭世的なペテネーラの雰囲気にピッタリの衣裳。サリーダが呪文のようにおどろおどろしい響き。「Yo no creo ni enmi mare…」とレトラ全体もよく聴こえた。声の出し入れがやや弱く、迷いがあるように聴こえた個所があり、ラストへ近づくにつれ最初のインパクトが薄れていったのが惜しい。

C-7 熊谷善博(シギリージャ)/お馴染み白一色の衣裳でシギリージャの古典を力演。筆者は昔から氏のカンテのファンだが、今回はトレードマークの破天荒さが影を潜め、作ったようなヨソ行きの声と節回しが気になった。飾らない素の歌声のほうが、カンテホンドには相応しいのでは。技術も無論大事だが、元来のセージョ・プロピオを忘れないでいてほしい。

C-8 寺崎恵子(グラナイーナ)/グラナイーナの世界観に合う透き通った声質で、アントニオ・チャコンの定番レトラ「Fue porque no me dio la gana…」から滑り出し。大きく外してはいないものの、一語一語のわずかな間延び感が、筆者には気になった。リブレの曲で陥りがちな傾向だが、クリスティーナ・へーレン元講師・徳永健太郎氏の伴奏による、つかず離れずの絶妙な距離感での後押しが、それをさり気なく救っていたように思われる。

C-9 渡辺都美(ティエント イ タンゴ)/非常にゆったりとしたティエントは、「僕のヒターナに綺麗な水を飲ませたい」「君と僕の家に橋を架けたい」という、古式ゆかしい歌詞を丁寧に感情を込めて歌う好演だった。レトラの情景が目に浮かんだほど。ご本人のキャラクターと、詞の雰囲気がうまく調和することの大切さを、改めて教えられた。

C-10 近藤リナ(ソレア)/ハリのある声、よく聴こえるレトラといい、気合も申しぶん無い。敢えて抽象的に言うならば、日本的な湿度が高い点が、カンテ・ホンドから少し離れてしまうことだろうか。例えばラストの「mientras vivas en el mundo, tú has de vivircon la pena」(この世にいる限り、あんたは苦しみと生きるべし)の「con la pena」を、余韻たっぷりに〆るところなど。突き放すようにドライな歌い口も時に意識してほしい。

C-11 中村一郎(ティエント)/枯れた味わいのティエントで、飄逸なキャラクターで聴かせるアフィシオナードのカンテ。音程がかなりズレているのが気になった。往年のマリア・バルガスの「Cuando por la calle va」(伴奏:パコ・デ・ルシア)がモデルの一つかもしれないが、無伴奏、つまり自力でメロディラインを保持するような訓練を重ねてみては。

C-12 永積裕二郎(アレグリアス)/サリーダの「ティリティターン」の部分に、幕開けのピリッとした緊張感が欲しかった。とはいえリラックスして楽し気に聴こえたオーソドックスなアフィシオナードのカンテ。歌詞を丁寧に発音しようとして、コンパスに入りきらない時があった。日本語的な発音は個性でも良いレベルだと思うが、よりアンダルシアのアイレを求めるならば改善が必要かもしれない。

C-13 岡村佳代子(カンティーニャス)※奨励賞に推薦/スピーディなコンパスに乗り、定番のレトラを次々繰り出して、ラストまで一直線に駆け抜けた快演。声のハリ、リズム感、フラメンコ的な熱さといい、トータルバランスが抜群だった。中盤のレトラ「Dile silo ves pasar」の「muy bajito(ささやいて)」の艶っぽさといい、細部にまで目配りを感じ魅了された。若干余力があるように見えたので、120%ギリギリの歌唱も聴いてみたい。多彩な引き出しを駆使し、鋭利なコンパス感で盛り上げた徳永健太郎氏の伴奏も特筆に値する。

C-14 工藤彩子(ルンバ)※奨励賞に推薦/自分で歌いながら、詞の内容を直接振付で表現するルンベーラの世界は、極めて演劇的であるがゆえ、レトラも完璧に理解しなければ踊れない、非常に高度な二刀流。困難な愛に苦しみながらも、両手を大きく広げ恋人を待つ(te estaré esperando con la puerta abierta)というサビの振付が象徴的かつハイライトだった。バイレとカンテ両輪が融合した、イメージ伝達力の高さに感銘を受け、奨励賞に推した。

今田 央(理事、ギタリスト)【G】

凜-Rin-
会場で演奏を聴いて感じたのは音の立ち上がりの速さ、粒立ち、特にトレモロは各音の輪郭が際立ってました。また初期のヴィセンテ・アミーゴを感じさせる間の取り方、ダイナミックレンジの広さ。唯一惜しかったのは時折深いリバーブの海の中でピカードが溺れかけたことでしょうか。印象としてはそれほどのフラメンコは感じられなかったのですがその技術力に感服し奨励賞に推しました。今回講評を書くにあたり演奏を聴き直したのですがラスゲアードもアルサプーアも出てこない、とは言えこれは正しくフラメンコギターの演奏だと思いました。フラメンコは何を弾くかよりどんな音を出すかということですね。凜さんがカンテやバイレにどの程度の関心を待たれているのかは判りませんが是非伴奏者を目指して頑張ってください。

吉良 剛
前半は間もよく、クリアーな音で弾かれてましたがトレモロの後半あたりからちょっとスタミナ切れ?になってきました。全体的にはピカードはクリアに聴こえてましたがアルペジオの粒立ちが悪いこと、a,m,i の連続では塊になって聴こえてました。あとはフラメンコ独特のリガードを交えた左右の手のコンビネーション、ちょっと焦ったのか数か所崩れてました。出音の方向性は正しいと思います。少しのテクニック改造で劇的に改善されるのではないでしょうか。またの出演を期待いたします。最後に一つ。演奏曲が自作かカバーか明記されてない場合は曲そのものにはコメントしないのですが、最後の B7→Em への持って行き方がちょっと唐突かなと思いました。

沖仁(外部有識者/ギタリスト)【G】

今年初めて「外部有識者」という形でギター部門の審査を務めさせていただきました。ただ今回はギター部門の出場者が2名とも私と師弟関係にあるので、一歩引いた形での参加となりました。
それぞれの演奏について私が感じたことは以下の通りです。

凜-Rin-さん
類まれなオリジナリティとクリエイティビティを持って、独自のアーティスト活動を続けて来た凛さん。今回あえてAlberto Lópezの楽曲、それも凛さんの大きな武器であるコンパスを封じたグラナイーナの形式を選んだことに、大きな挑戦と心意気を感じました。真っ向からフラメンコと向き合い、技術的に難易度の高いこの曲を立派に弾き切りましたね。今後どのようなスタンスでフラメンコと向き合い活動をしていくのか。楽しみにしつつ応援しています。
吉良剛さん
新人公演への出場を決心してからの数ヶ月で、目を見張るような成長ぶりを見せてくれました。愛器を見事に鳴らし切っていて、最初のひとフレーズだけで曲への深くまっすぐな思いや、真摯に取り組んできた姿勢がひしひしと伝わってきました。今後、ギターだけでなくフラメンコというスペインの文化そのものと向き合う中でさらに大きな飛躍を期待しています。

また、今回は新人公演を通して私自身も新たに気付かされることが多くありました。
貴重な勉強の機会をいただいたことに心より感謝申し上げます。

片桐勝彦(理事、ギタリスト)【G】

今回は2名だけの出演で、同じ曲種のエントリーでしたが、レベルが高い演奏でした。
奏法上や曲作りの点で気が付いたことを、一言ずつ述べさせていただきます。

G-1.凜-Rin-:奨励賞受賞おめでとうございます。全体的に音の強弱や緩急がしっかり表現された演奏で、自分も一票入れさせてもらいました。右手の力加減が弦の張りと合っていたことと、左手のスラーがしっかりしていることが、音の伸びやかさにつながっていると思います。途中、ピカードは少し力が入り過ぎてつぶれてしまった音符もありましたが、しっかりした親指のアポヤンドを伴うトレモロは、粒も揃ったフラメンコの根太い音色でした。左手の指がよく開いて、ビセンテ・アミーゴを彷彿とさせる音使いでしたが、オリジナリティー豊かな素晴らしい曲作りだと思います。間と呼吸、そしてスラーなども含めた一音一音を丁寧に弾いた音色が、ダイナミックさと繊細さが伝わる好演奏につながったと思います。今後も期待してます!!

G-2.吉良剛:大きなミスもなく、丁寧な演奏で素晴らしかったです。プルガール奏法もブリッジ近くで弾いていて理想的でしたが、少し弦の張りに負けていたように聞こえました。一段柔らかい弦にするか、カポタストをつけるかすると、もう少しラクに弾けたかもしれません。でも、ハイポジションでの音使いも多かったので、アイレで弾かれたとも推察いたします。弦をまたがる長めのピカードも最後まで弾ききれていて、アルペジオも正確でしたが、少しこじんまりとした演奏に聞こえました。もう少しフレーズの塊(かたまり)感を出して強弱や緩急を多めに表現すると、更に良くなると思います。途中2回ほど出てきたヘラルド・ヌニェス風のファルセータにも上手く溶けこんだ曲の流れも素晴らしかったです。トレモロ、アルペジオ、アルサプーアなどの右手奏法のコンビネーションも良かったので、このまま頑張ってください。

加部洋(理事)【G】

凜-Rin-くん●新人とは思えない、表現者としての根本的資質を持っていて驚かされた。更に表現欲求の強さ、性格の強さも感じられ、ピカードなどに若干の音ヌケがあったものの、堂々たる演奏だった。ファルセータも初めて聴くもので、自身の作曲なのだろうか?素晴らしかった。

吉良剛くん●沖仁氏の名曲グラナイーナを忠実に再現した好演だった。緊張からか若干ぎくしゃくした部分もあったが、ハイポジションのフレーズを正確に弾きこなすところに好感が持てた。更に伸びて行く可能性を感じた。

鈴木英夫(理事、ギタリスト)【G】

ギター部門は昨今参加者が著しく減って、今回はお二人の方のご参加でした。が、個人的にはお二人とも素晴らしい演奏を聞かせて下さいました。
1、凜-Rin-さん、見事なテクニックと音色で素晴らしい演奏でした。曲がグラナイーナスと言う事で、どちらかと言うとクラシックギターに近い感じがしました。繊細で美しい演奏でしたが、欲を言えばもう少しフラメンコ的な表現が欲しかったです。

2、吉良剛さん、弾き始めから音の太いしっかりとした演奏でとても良かったと思います。強いて言えば時々左右の指のバランスが少しズレたり、緊張からかトレモロが乱れて聞こえました。お二人とも曲がグラナイーナスだった事もあり、甲乙付け難い演奏でしたが、個人的にはもっとフラメンコ独特のリズム、そしてスパイスの効いた演奏が聞きたかったです。どちらにしてもとても楽しませて頂きました。

伊集院史朗(理事、バイレ)【Bg】

バイレ群舞部門を担当させていただきました。どのグループも、しっかりと準備を重ねて、見応えのあるパフォーマンスを披露してくださったと思います。その上で、僕が感じた印象を述べさせていただきます。

1・グアヒーラらしい、華やかで可憐な振付がとても印象的でした。踊りの構成・展開の仕方も非常に効果的だったと思います。改善点をあえて挙げさせていただくと、①最初と最後のポージングは、3人のバランスを考慮して、もっと突き詰めることができるのでは②3人で踊っていて、1人だけ違う動きをするパートなどで、目線などで3人の関係性がもっと感じられると、見え方がより鮮明になるのでは といった点がありました。

2・床から始まる動きなど、メッセージ性を感じる部分が多くあり、それがカーニャの荘厳な雰囲気とマッチしていて良かったです。改善点として、①全体としてメンバー同士の関係性がもっと感じられたら②マントン・シージョの使い方にも、もっとメッセージを込められるのでは という印象を受けました。

3・個の力、群舞としての関係性、音楽性、どれもが素晴らしかったです。立ち位置変化も豊富で飽きさせませんでした。また、それぞれの踊り手がフィーチャーされる場面もしっかりあり、構成的にも申し分なかったと思います。

4・マントンの色を活かした立ち位置と、その変化がとても印象に残りました。絵画を見ているような瞬間が多々みられました。表情と動きに硬さが少し感じられたのと、メンバー同士がよりお互いの関係性をもつことができれば、質が格段に上がるのではと感じました。

5・三人の個の力がとても良かったです。広い舞台を満たすエネルギーが感じられました。その分、群舞としての要素はより深めていくことができると思いました。例えば、お一人でマントンを使っている時間が長過ぎると、群舞としての印象が少し薄くなる感じがしました。

ソロには無い魅力を、今回の群舞審査で改めて感じさせられました。これからも皆さんのパフォーマンスを拝見する機会を楽しみにしております。

市川惠子(理事、バイレ)【Bg,Bs】

【バイレ群舞部門】
それぞれのグループが趣向を凝らし、個性的で楽しく見応えのある群舞でした。

私が郡舞で奨励賞に推薦したのは、

★LLAMAS DE FRAGUAS

振付・構成はよく考えられいて良いのだが、実力のあるフラメンカな方達が何人もいる郡舞なので個々の個性がもっと生かされていても良かったのでは。後半のリブレの振りは良かったが、全体に少し目ま苦しく感じ、何か軍隊ぽく感じたが、よく揃えたと思い感心し胸が熱くなった。

 

最後まで迷ったのは、

✩El Viento de Toyama

フラメンコとしての活気・心意気を感じ、メリハリもあり、静と動の兼ね合いがよかった。マントンも頑張っていたが、2対1での構成は難しく感じた。起承転結もあり、フラメンコとして自然で落ち着いて見ていられたが、カーニャとして、もっとゆったりとしたしっとり感がほしかった。

 

◎島崎リノフラメンコスタジオ DaiDai

よく考えて作ってある面白い工夫のある振り。マントンを効果的によく踊っているがカーニャにしては慌ただしく感じる。少しブラソ・マノで表現するところがあっても良かったのでは。身体はまだあまい。(もっとフラメンコ的な熱いものをみたかった。)

 

何かがうごめいているような始まりで印象的。全体にハッキリとした振りだが、ブラソが直線的に感じた。マノを大切に。視覚的効果を狙いドラマティックな所もあったが、バタデコーラの優雅さやフラメンコとしての力強さも、もっと欲しかった。

 

〇Las Tres Gracias

個性的な衣装で可愛らしい。絵画的な始まり、音楽で作っていて奇麗だが色々している割に印象が変わらない。もっと強弱が欲しい。一人ずつの所から個性が出ていて良かったが後半にもっと盛り上がりが欲しい。

 

【バイレ部門】

真摯な気持ちで自分と立ち向かう姿に、今年もたくさんの勇気と希望を頂きました。皆さんの熱い思いを胸に審査にのぞみましたが、今年も工夫された振りで、それぞれに良さは感じるものの、強烈な印象を残すほどの突出した方は少なく、上手な方がたくさんいらっしゃっただけに、5人だけに絞るのは大変でした。

 

私が奨励賞に推薦したのは、

★吉田智宏:独特な個性がおもしろい。この人ならではの味わい。見ていて目が離せない。ワクワクする。ブレのない身体。人間味のある踊りで惹きつけるものが色々ある。生もののフラメンコ。絞り出すように内から発するものに涙が出る。やっぱり大好き。

★荒濱早絵:フラメンカな雰囲気。フラメンコ性が高く豊かな表現で惹きつけた。足もリンピオ。コンパス力も素晴らしい。フラメンコとしての自然な高まり、熱さに心うたれた。一時も緩まない良いソレアの空気感、振りが自分のものになっている心地よさ、素晴らしい踊りに今後も楽しみ。

★畑中美里:情感に溢れ思いが伝わってくる。抑え気味の感情表現、さりげない所もブラソ・マノの微妙な扱いで素晴らしい。コンパス力もあり、奏でる足も実に小気味良い。この人だけの味がある。タラントらしい、よい空気感。含み・うねり・溜めがあり、全体の流れもよく、上手い。タンゴもノリがよく、後半にかけての熱情の高まりには、見入ってしまう。

★片野佳加:難しい振りを丁寧に踊りこんでいる。ブラソ・マノも美しく身体も整っていて品がある。足も奏でている。静けさの中に秘めた思いを感じ、しなやかだが激しさ鋭さがあり、込めた気迫に熱いものが伝わってきた。じわじわと盛り上がる様がよい。一時も緩まない空気感。この1年の成長には目を見張るものがあった。

★藤岡里織:自然で素直なフラメンコ性に惹かれた。しっとりとのびやかだが、込める力、含みもあり秘めた熱さが伝わってきた。たたずまいも良く、重みもあり落ち着きを感じ、良くまとまっている。コンパス力もあり足もしっかりしている。ブレリアは動かないで感情的なものを大切に。どこかにもっと強烈なものが見たいと思った。将来に期待。

 

次点として推薦したのは、

★瀧野晴美:気迫に満ちたフラメンカな踊り。歌はもっと深く重く踊れるはず。足もしっかり頑張っている。テンションが高く熱い。ぶつけてくる、その想いに惹きつけられた。静かなところを、もっと深く重く溜めが出るとなおよい。今後が楽しみ。

 

特に印象に残った方々は

✩地紙直美:身体はしっかりできていて重み、落ち着きがある。スカっとして無駄な動きがない。身体もぶれない強い意志を

感じる媚びのない踊りで構成もよい。ブラソ・マノも素晴らしい。コンパス力もある。もっと深みが出てくるとなおよい。

✩常盤直生:力強い印象的な踊り。足もしっかり。身体も締まっているが、ブラッソの納めが気になる。溜める力も込める力も鋭さもある。思いの丈をぶつけてくる様に惹きつけられみてしまう。あとはどれだけ自分のものにできるかが課題。

✩中里眞央:キラキラの凝った衣装。強弱の取り方が独特。身体能力に優れ、足もキレイに奏でるところからフォルテのところまで素晴らしい。情感もあり、ドラマチックで感情的な表現はよい。フラメンコとして気になるところもあるが、作品としては見応えがあり、それを見事に踊りきったところに感動した。

✩菊原まり:晴れやか、元気いっぱいで楽しそう、これでもかという感じ。個性的でアイレもあり、身体もしっかり、ブラソ・マノも良い。後半、さすがのキャリアを感じさせるノリと活気で印象づけた。もっとハッキリした衣裳の方が良さが伝わるのでは。

✩岡田麻里:身体はできていて、気迫・重みもあるハッキリした安定感のある踊り。全体のバランスも良く、最後の振りも良い。溜めがあって、感情が伝わる。タンゴの歌はもっと楽しんで。衣裳も髪飾りももっとスキっとした方が踊りが映えるのでは。

✩大里尚子:こつぶでピリリ。身体能力に優れ、ブラソ・マノも美しい。メリハリの効いた踊りで身体の切れ味も良い。転換の間合いも上手く、振りが自分のものになっている心地よさ。伝わるものがあった。踊りの完成度は高いが、カーニャらしさについてもう少し考えてみて。

✩中村太香子:印象的な始まりでテンションは高い。気迫がすごい。足もフォルテ。強い意志を感じ、個性的で面白い。ある意味、衝撃的。その激情には引き込まれるが、首が付き出ているのが気になる。もう少し静けさや深み、どこかに抑え気味の表現もあるとよいのでは。

✩小林由佳:いつもフラメンカなものを持っているので、私の中では期待の人。どしっとした魅力。気迫も込める力もあり振りも良い。無駄な動きが削ぎ落され伝わってくるものがあるのだが、今回は、衣装がゴージャスすぎて、かえってフラメンコ性を薄れさせてしまった。

✩川田久美子:見ごたえがあって良かった。今までのしなやかな印象から、踊りが力強く、ごつくなり存在感が出てきたが、表情も表現も少し一辺倒なので、もっと微妙なところがほしい。あなたならもっと豊かな表現ができるはず。

✩橋爪潤子:身体はしっかりしていて重みも気迫もある。瞬発力もあり込める力もあるが、ブラソ・マノをもっと丁寧に。静けさも大切。次への展開の間合い、足元が今後の課題。レマーテをあんなに驚かせるようにしなくてもよいのでは。シージョが重苦しく感じた。

 

次に印象に残った方々

◎高尾優子:良く身体が使えていて、表現も豊か。コーラのさばきも足もしっかりと丁寧に頑張っている。そっくり返ったり、派手な動きが多いのだが、シギリージャとして重み、深みが足りないので、溜め・含み・込める力がほしい。

◎本多清見:無駄な動きがそぎおとされ、身体もしっかりしてきて気迫も感じる。マノ・ブラソも良くなり、溜め・絞りが出てきた。しっかりと意思・頑張りを感じ、静けさの中の重み、しっとりとした良さもあり、心に染みた。突出した強さがどこかに欲しかった。

◎青木千鶴子:癖が取れ、締まった踊りになった。冷たさはあるが凛とした良さを感じる。身体に奥行きも出てきたがまだ腰がすわっていない。良く考えられた振りでドラマチックに魅せた。いつも頑張りには頭が下がるが、後はフラメンコとしてのさらなる重み・深み

を期待する。

◎伊藤美恵:今回は振りが合わない気がした。もっと落ち着きがある踊りが見たかった。色々しているが印象にあまり変化がない。衣装のせいで、ブラソ・マノの動きが見えにくい。色も渋味のある方がよいのでは。自分の雰囲気を大切に、しなやかな良さ、微妙な表現を活かして。

◎藤岡素子:素直でスキっとさりげない良さがあり、足の音もきれい。無理なく全体によくまとまっているが、ジャマーダはもっと強く。何か物足りなさを感じるので、どこかに身体のうねりや、どーんと強いところがあるとなお良い。

◎中川直美:身体がしっかりしていて気迫もあり、のびやか。インパクトがある。次への展開、流れが自然。気持ちの込め方がよい。熱い伝わるものがあって見てしまうが、まだ身体使いが粗いところもある。細やかな表現も大切に。

◎齋藤朋之:自分の存在感だけで見せているのは凄いが、少し肩に力が入りすぎ。気迫は感じるがもっとしっかりした身体作りを。好きだからこその拘りも分かるが、もう一味欲しい。が、個性が面白いのでみてしまう。マルカールも込める力はあるがブエルタには注意。足はもっと鋭さがほしい。どこか、自分をもっと開放してみたら?

◎山谷祐子:身体はしっかりしていて、安定感もありキリっとした良さがあるが、少し硬く感じる。マノは良い。溜め・込める力・含みもある。気迫もあり、メリハリのある踊りだが、気の込め方が一辺倒なので、もう一工夫。

◎新田晶野:印象的な始まり。気迫もある良い踊り。素直な清潔感。まだ真っ直ぐなので、うねり・含み・溜め・込める力がいる。奥行きを感じさせる身体の使い方も大切。もう少し感情的なところもほしいが、好感が持てた。

◎千葉真優美:椅子からの始まりがよかった、込めた気が伝わる。歌振りは落ち着きがありよい感じ。足もしっかりしているが、裏打ちには息遣いがいる。自分の中で行き着くところをもっと強く大切に。身体を通してもっと表情が出せるのでは。

◎山﨑嬉星:効果的な始まり。すごい強弱、落ち着いて身体は良く使っている。ドラマティックだが、すべてが大げさに感じるので、もう少しさりげないフラメンコとして普通のところがほしい。良いものを持っているので印象的だが衝撃的な見せ方より内から湧き上がるような物を大切に。歳を増すごとにシギリージャとしての深み重みが増すと良い。

◎福井千嘉子:強い意志を感じ頑張りは伝わった。マントンの扱いも美しいがもっと丁寧に。もう少しゆったり、しなやかに。溜め・含みが出るとよい。後半の感情の激しさには惹きつけるものがあった。より豊かな表現を期待する。

◎加藤のぶこ:身体がしっかりしていて足もフォルテ、凛とし毅然としたところが良い。歌にもう少し感情の起伏、二つめの歌にはもっと情感がほしいが、空気感は良い。タンゴから表情が出てきて盛り上がりをみせた。

◎吉田芽生:美しい印象の始まりだが、足が弱く感じ、全体に盛り上がりにかける。衣装は効果的で女性らしい、伸びやかなブラソで情感のある踊り。色々しているが、流れて見える。もっとフラメンコとして突出している所がほしい。カーニャにしては少し動き過ぎなのでは。

◎奥田敦子:好きな始まり。スキッと凛としている。よい空気感。足を打つ時に身体がぶれるのと回転が気になった。静と動のバランスがよい。訴えかけてくるものに惹かれ、じっと見てしまう。

◎小林浩子:何か痛みみたいなものを感じる。すごく独特の個性を感じ、内から出てくるものを見てしまう。この人だけの味がある。マノがもう一ひねり欲しい。ずっと同じテンションなので、さりげないところも大切に。首はもう少し引いて。

◎持田賀津子:少し腰も落ち着いたし踊りもどんどん良くなっているが、まだ振りを踊っているという印象。ブラソ・マノも頑張っているが、歌はもう少し重みがいる。意思ははっきり感じるがタンゴはノリを大切に。足で踊っているためか慌ただしく感じる。櫛も花も大きすぎるのでは、衣装ももう少ししっとりしている方が曲の雰囲気がでる。より深くフラメンコらしさを追求して欲しい。

◎辻めぐみ:始まりは素敵、振りも踊りも落ち着き・安定感がある。好感が持てる。清潔感もあり表情も豊かでゆったりとした感じで良かった。振りに工夫があり面白い、ブラソ・マノも綺麗だが、どこかにもっと印象づくところが欲しい。

 

今後に期待したい方々

  • 衛藤絵美:身体に恵まれ、ドシっとしてよい。丁寧に踊っているが、まだ芯の力が足りない。アセントの3が弱い。回転に注意。全体に優しさ暖かさのある良い踊りだが、何か物足りない。もっと自分の強い意志がいるのでは。
  • 平賀友子:身体はしまっている。振りは起承転結があってよい。タパは重みを感じる安定感もあるがまだ拙いのか、手の納めや腰のすわりの不安定な所も。少し感情を吐き出す所があってもよいのでは。いいものがあるので頑張って。
  • 折橋恵子:身体がしまってきた。空気感が良かった。下を向いていても気にならないが、もっと顔を上げて。今までと違う印象、じっと見てしまう。衣装がとてもよく似合ってた。抑え気味だが伝わるものがあった。
  • 前智美:一生懸命に頑張っているのだがレマーテやジャマーダの前にテンションが上がりきっていない。気迫もあるが気持ちに動きがついていっていないような気がするので足も身体も更なる強化を。ブレリアは自然な盛り上がりを見せて欲しい。
  • 小西千絵:一生懸命に頑張っているが、ここぞというインパクトに欠けた。全ての振りをもっと10で締めて。もっとアレグリアスとしての晴れやかさが欲しい。心意気は感じたが全体に硬く感じるので、基本的なブラソ・マノ・マルカールをもっと大切に。全体に柔らかさと丸みが欲しい。
  • 高橋亜也子:まだ拙いがアレグリアスのアイレほのかにある。ブラソの軌道がまだ出来

ていない。マノの使い方があまい。足もまだ弱い。ジャマーダはもっと丁寧に強く。もっと全体にアレグリアスらしい活気がほしい。自分がもっと楽しめるまで踊りこんでもっと行きつくところを。シレンシオは情感的なものが欲しい。

  • 大塚淳子:この人ならではのどーんとした味がある。大ぶりだが落ち着いた良く工夫さ

れた振り。どこか、絞りがほしい。表情が変わらないのが残念。後半慌ただしく見えた。もっと気持として行き着きたところを、体型を活かし静かに盛り上がりを見せるとよいのでは。

  • 檜直子:どーんと見える。色々踊っているが振りが大げさなので、もっと身体全体を使わないと心に届いてこない。エスコビージャは動き過ぎで、流れてみえる。印象があまり変わらないのが残念。良いものを何か持っているので自分の感情をもっと大切に。
  • 髙野正子:もっと腰・首・背中・身体を使って。全体に動きが流れすぎ。もう少し重みが欲しい。振りを楽しんで踊っているのはよいと思ったが、ずっと同じ印象なのでもう一工夫あれば。
  • 小野寺麻佑:ハッキリした振りをしっかり踊っているが、二つめの歌はもう少しゆったり感がほしい。蹴り上げる振りが多いのが気になった。清潔感があり素直な感じでマノは良いがもっと自然体で踊った方がフラメンコらしく見えるのでは。
  • 木村久子:気の踊り、まだ気持ちに身体がついていっていない。気迫はあるが、まだまだ拙いところが多々ある。真の身体作りが大切。が、フラメンカなものを感じさせ何か伝わるものがあるので、見ていて面白い。マノもまだ粗い。コンパス力も正確に身に付けて。何か味があるので頑張って。
  • 佐藤雅美:もっと身体を立てて。色々表現して踊っているのだが、もっとブラソ・マノを使わないと、全体に硬く感じる。表情はアレグリアスらしくてよかったがインパクトに欠けた。
  • 稲沢静:落ち着いて丁寧に一生懸命踊っているが、まだ粗く感じる。しっかりとした意志は感じるが、表情に変化がないので、色々しているのに印象に残らない。ソレアを自分がどう表現して踊りたいのか更に深く考えてみて。
  • 中原千惠:可愛らしい。色々と頑張って、しっかり踊っているのだが、印象・表情がかわらないので、フラメンコとしての表現力に欠ける。少し自分の感情が出てくるとよいのかも。もっと起承転結を考えて。
  • 鈴木弘子:足を打つと身体のバランスが崩れているように見える。気合と、どしっとしたところも感じられるが、ブラソ・マノの扱いが中途半端な為か、全体的に少し中途半端な印象になってしまっている。もっと曲のイメージを明確に自分の意志も大切に。
  • 宇田川元子:カスタネットが美しい。クラシコ。感情的に伝わってくるものがあるがもっと身体のラインを大切に。特に背中に注意。何か岡田先生の事を思い出しました。

    今後の課題を頑張って欲しい方々〇酒井直子:身体がまだできていない。ブラソ・マノも。首が突き出ている。気合は感じるが落ち着きがなく慌ただしく感じる。しっかりした身体作りと基礎を大切に。〇仙場なお美:身体と足が一緒に動いてしまう。身体・マノ・ブラソともにまだあまい。こじんまりみえるので、もっとのびやかに。マノはアセントでとって。ブラソ・マルカール流れ気味。静かなところによさはあるが、激しくなると身体がバラバラになるので注意。〇岩崎沙彌香:フレコがロング過ぎて身体の線が見えない。身体が安定していないので、パワフルだが慌ただしい、まとまりがなく感じる。マノ・ブラソはまだあまい。音楽で作り過ぎて、かえって不自然になっているように思う。気合はあるのだが、もっと静かな動きを大切に。〇川嶋沙瑛子:幻想的な始まりだが全体的に弱い印象。ジャマーダはもっと強く。首が突き出て、肘と背中が抜けているのでしっかりした身体作りを。足を打つ時、スカートを上げすぎて膝が見えるのが気になる。コーラのさばきも頑張っているが、さらに丁寧に。振りには起承転結が必要。〇横畠由美子:ひたむきな気持ちは伝わるが、振りがはっきりしないので、もっとメリハリをつけて。足を打つ時の身体のブレ、ブラソの軌道と納めに注意。硬く感じるので、女性としての柔らかさがほしい。
    本当にフラメンコは知れば知るほど難しい。自分の思いを自由に表現するためにも、芯のある身体作り、しっかりと基礎を学ぶことが大切。フラメンコらしい身のこなしを覚えるのではなく、身に付けてこそ、技術や振りにとらわれず、自分の内から湧き出る感情を表現できるようになるのではないでしょうか。何か自分が感じることこそ大切。一振り一振りに自分の思いを込め、もっとフラメンコとして迫ってくるもの、心に響く何か熱いものを、もっとみせてほしい。時間がかかることですが、何よりフラメンコが好きだという気持ちを大切に。フラメンコの感動を追い求め、自分ならではの道をみつけていってくださることを願っています。フラメンコの熱さを忘れないで。

井上恵美子(外部有識者/一般社団法人現代舞踊協会)【Bg,Bs】

私が専門とする現代舞踊(モダンダンス・コンテンポラリー)とは異なるジャンルの舞踊を拝見することは刺激的で楽しみです。特にフラメンコは感情を発散させるそのエネルギーと内面の奥深さを表現するにおいて、情熱的であると同時に知性やユーモアを備えたダンサーの踊りに出会えた時、ため息をつきたくなるほどの感動を覚えます。今回もそのような出会いがいくつもありました。
各部門から印象に残った作品にコメントさせて頂きます。

<バイレ・群舞>
1、 Las Tres Gracias:黄色い扇の使い方が美しく、3人の息の合ったエンターテイメント的踊り。
2、 響:直向きさは感じるが、基礎的な身体の訓練が必要。
3、 LLAMAS DE FRAGUAS:群舞の迫力に圧倒された。空間構成。人員編成にあと少しの個性を。
4、 島崎リノフラメンコスタジオ DaiⅮai:舞台経験を積んで、キャリアアップをしてください。
5、El Viento de Toyama:3人なので群舞としては迷ったが、オーラ、訴える力、新鮮さを感じた。

<バイレ・ソロ部門>12日
3、青木千鶴子:背が高く見映えがする。長い緊張感と追い込み方がベテランを感じる。
5、新田晶野:モダンな衣裳でいきなりサパテアートを見せる。ラストの片足立ちのポーズが惜しい。
6、岡田麻里:力強く、安定した演技。後半には笑顔で踊る余裕を見せた。
8、平賀友子:やはり安定して訴える力を感じる。表情にも余裕を感じた。
9、片野佳加:柔らかい動きと切れ味がすばらしい。失敗を恐れずに挑戦してください。
13、髙野正子:目線が低く、首から背中のラインが気になった。明るさがほしい。
14、藤岡里織:メリハリのある演技、間の使い方が良く、動きも大きく素晴らしかったです。
16、山谷祐子:迫力があり、素晴らしいのですが、真面目過ぎた印象を受けました。
18、藤岡素子:好感の持てる演技ですが、今ひとつ個性がほしい。
20、大塚淳子:ゴージャスな衣裳が映えていました。動きのくり返しが気になった。
22、吉田智宏:ダンディな大人の雰囲気と、心から楽しんでいる様子を絶妙なテクニックで魅せた。
24、伊藤美恵:動きの強弱、顔の表情など平均して良かったので、それを超える何かがほしい
25、菊原まり:笑顔が魅力的で楽しんで踊っているのが伝わってきた。
28、大里尚子:動きの切れが良く、力強いが、少し力み過ぎた感じを受けた。

<バイレ・ソロ部門>13日
29、小野寺麻佑:静と動の切り替えがうまい。表情豊かで楽しんでいるのが伝わってきた。
31、加藤のぶこ:動きのすべてが確実で最後まで集中力を落とさなかった。
32、中里眞央:振付に独創性を感じる。メーク・衣裳ともナチュラルなのに豊かな表現力に驚く。
35、畑中美里:高度なテクニックと魅力ある演技が素晴らしかった。
36、山﨑嬉星:しなやかで若さ溢れる演技が将来性を感じさせた。
39、地紙直美:ボレロ付き衣裳が良く似合い、キャリアの風格を感じさせた。
42、吉田芽生:白い衣裳でのびやかな動きが印象的だった。
48、小林由佳:力強い演技で攻めるが、今ひとつ魅力となるものがほしい。
49、高尾優子:メタリックな衣裳で裾さばきも安定し、腰の柔らかさを生かしていた。
52、川田久美子:表情豊かで、楽しみ、楽しませる演技に魅了させられた。
54、常盤直生:回転が見事で、高いテクニックの演技を見せた。
55、宇田川元子:唯一録音の音楽を使用して異色な登場。亡き師が空から見ているようでした。

EL・POKA岡崎(理事、バイレ)【Bs】

本年度、私の心に響いた人達について
片野佳加さん 踊り方が大変丁寧で大きく踊っていました。完成していて、実力の備わっている方です。全く隙が無く見事でした。
藤岡里織さん 丁寧に綺麗にのびのびと踊っています。見ていて好感の持てる踊りです。素敵なギターに助けられ、ノリも有り、キレも有り、好きな踊り方でした。
地紙直美さん 圧のある体に合った大きな踊りになっていて最後まで堂々としていて、大人の踊りでした。
中里眞央さん 個性的で自己主張の強い、野生的な踊りですね。静と動の組み合わせが上手でした。
伊藤美恵さん 一言で言ってしまうと…惜しいなあー!実力は間違い無く見えるのだから、もっと自由に弾けてみてほしい!クセ、味、自己主張等を織り交ぜながら…ね!
持田賀津子さん 他の人には真似出来無い、色気が有り、個性たっぷりな、のびのびとした、人を惹きつける情感の有るティエントになっていました。

 

岡本倫子(理事、バイレ)【Bs】

<バイレ・ソロ>  (12日)

1 川嶋さん パリージョの演奏が多過ぎたことと打つ時の手の動きが振りになっていないのが残念でした。

2 本多さん 舞台上での存在感が以前より増したように思われる安定した踊りでした。

3 青木さん シンプルな衣裳が抜群のスタイルにあって素敵でした。マノの使い方をもっと研究なさると良いと思います。

4 横畠さん 身体の動きがフワフワして重量感が感じられませんでした。ブラソの動きも含めてしっかり稽古に励んでください。

5 新田さん 凛々しい踊り方が素敵でした。最後に照明が消えたアクシデントは残念でしたが踊りにはとても感動しました。

6 岡田さん 安定した踊りでよかったのですが後半は動きすぎの感がありました。衣裳も素敵でしたが袖のボランテとお花が大きすぎたように思います。

7 仙場さん とてもきちんと踊っていらしたと思いますが、顔を少し下向きにすると目と眉が一緒になって見えてしまうメイクだったため客席からは其処にばかり視線がいってしまい残念でした。

8 平賀さん フラメンコに対して真摯に取り組んでいらっしゃるようでとても感心しました。顔の上下運動が多いのが少し気になります。

9 片野さん 途中バランスを崩した箇所は残念でしたが、個性的で集中力のあるタラントに魅せられました。

10 酒井さん 顎と顔が前に出る体勢が気になりました。体幹を鍛えてバランスが乱れないようにしてください。

11 中原さん 振付をきちんと踊っていらっしゃいますので、それが表現になることを期待しています。

12 齋藤さん ムシコスの方々に呼応して踊られたソレアに感動しました。

13 髙野さん 素敵に踊られていらっしゃるのに顔が前のめりになり身体の軸が乱れるようですね。体幹を鍛えてください。

14 藤岡さん クリスティーナ・オヨスさん似のお顔が印象的。そして安定感のあるソレアがとても素敵でした。

15 瀧野さん  ソレアより後半のブレリアの印象が強くなりすぎてしまったのが残念です。

16 山谷さん とてもお上手で踊り的には高得点でしたが全ての表現が観る側にアピールしすぎで強すぎるのが気になりました。

17 衛藤さん 時々ずれる中心軸をしっかりすると素晴らしいシギリージャになったのではないかと思います。

18 藤岡さん きちんと踊られていてとても楽しいグァヒーラでした。

19 千葉さん バックの方々との呼応も感じられる素敵なソレアでした。

20 大塚さん 後半にリズムの乱れがあったのが残念でしたがとても良かったと思います。

21 前 さん 身体の上下運動が気になりました。もう少し腰を落として踊られると安定した素敵なソレアになったと思います。

22 吉田さん もう少し膝のまげを少なくすると一層素敵なアレグリアスになったと思います。

23 岩崎さん 肩・首まわりに力が入りすぎてバランスが崩れるのだと思います。もう少し力を抜いて踊られますように。

24 伊藤さん 上体とブラソの使い方を考えるともっと安定感のある踊りになると思います。

25 菊原さん とても素敵で楽しいアレグリアスでした。

26 福井さん  もう少しリズムを大切に踊ることをお勧めします。

27 檜さん フラメンコの衣裳がとてもお似合いの体型と思われます。上体とブラソを強化なさって一層フラメンコ性を磨かれることを期待します。

28 大里さん もっとシンプルな出で立ちで踊った方が振付が活きてくると思います。

 

<バイレ・ソロ> (13日)

29 小野寺さん フラメンコ的要素が感じられないのが残念でした。また、肩の上がりが気になります。

30 辻さん 動きが多すぎるのと上下運動がとても気になりました。もっとペソのある踊りを心掛けてください。

31 加藤さん 振付をきちんと丁寧に踊っていらっしゃいました。加藤さん独自の表現が発揮されることを期待します。

32 中里さん 毎回テクニック的に素晴らしい進化を遂げていると思います。フラメンコ性が高まることを期待します。

33 橋爪さん 動きすぎの感が否めませんでした。肩に力が入るのも顔が前に出過ぎる原因になりますので気をつけて下さい。

34 高橋さん 楽しいアレグリアになっていましたが、顔の上下運動が気になりました。また、ブラソ使いが中途半端なのも残念でした。

35 畑中さん タラント、魅せられました。ありがとうございます。

36 山﨑さん とてもフラメンカでした。上半身を強化なさってください。これからが楽しみです。

37 木村さん 一生懸命踊っていらしたことに感動しました。頑張ってください。

38 小西さん 振りを大事にきちんと踊ってらして好感度抜群でした。

39 地紙さん 安定感のあるシギリージャが素敵でした。後半になってからが特に良かったと思います。

40 佐藤さん アレグリアスをとても楽しそうに踊ってらしたのが印象的でした。

41 中村さん 力強い振りは素敵でしたが前のめりな体勢はとても気になりました。

42 吉田さん 身体使いがとても美しかったです。ブラソの扱いを強化なさるともっと素晴らしくなると思います。

43 中川さん 動きすぎでバランスが乱れがちになっていたのが残念でした。

44 鈴木さん 大きいステージであってもご自分の踊るスペースを拡げすぎないことが大切です。後半はかなりお疲れの様子でしたので。

46 稲沢さん 振りをとても大切に踊っていらっしゃることに感心いたしました。

47 持田さん ティエントスの曲調にあわない出立ちと動きだったように思います。

48 小林さん 腰が据わってとてもパッショネイトなソレアなのに時々バランスが崩れるのが残念でした。力の入りすぎでしょうか。

49 高尾さん バタ・デ・コーラの捌きが多すぎて動きまわってばかりの印象がありました。唄が聴こえてこないシギリージャになってしまったのが残念です。

50 奥田さん 気迫のシギリージャ、とても素敵でした。最後にお疲れが出てしまったようですのでペース配分を考えて踊って下さい。

51 小林さん ドラマチックな怒りのタラントはとても見応えある一曲になっていました。

52 川田さん とてもフラメンカなソレア・ポル・ブレリアに魅せられました。

53 折橋さん とてもお上手なのに目線が常に下なのがとても気になりました。折橋さんの踊りに込めている思いが伝わりにくくなりますしバランスも崩れやすくなると思います。

54 常盤さん とてもお上手なのに、止まるときのぐらつきが気になりました。

55 宇田川さん クラシコ・エスパニョールの名曲ベナモールでの出演、とても嬉しく思いましたが偉大な曲に乗り切れない様子が残念でした。

56 荒濱さん 真っ直ぐに大好きなフラメンコに没頭して研磨を積んできた様子が感じとれるソレアでした。感動しました。

鍵田真由美(理事、バイレ)【Bg,Bs】

いつも以上の集中力で思った通りの演技が出来た人。

思うように力が発揮出来なかった人。

どんな結果でもあの舞台では一番輝いたはず。

真っ直ぐ立ち、重みを感じ、空気を抱き、目に見えないものを見る。

そんな修行の始まりです。

ギター カンテ バイレ全ての出演者の皆さん本当にお疲れ様でした。

そして受賞者の皆さん心よりおめでとうございます。

  獲っても地獄

  獲らなくても地獄 

地味に地道に一歩ずつ歩み続ける。

それだけです。

 

鍜地陽子(理事、バイレ)【Bs】

新人公演出演者の皆様、お疲れ様でした。去年から選考委員をさせて頂いていますが、去年からまた実力を上げて進化を見せてくれた方もいて、なんだか自分まで嬉しくなるような気持ちにさせて頂けるのは選考委員の醍醐味かと思います。
今年もまた全体的なレベルも高く選考には大いに悩みました。私の選考ポイントは下記の五つです。
①自分の中の言いたい事が踊りを通して言えているか。内なる発露があるか。
②コンパスがしっかり感じられるか
③基本的な舞踊テクニックがあるか
④歌やギターをしっかり聴いているか
⑤舞台を使えているか

私が奨励賞に選出したのは以下の方々です。

B-6岡田麻里さん
一言で言うと「覚悟の見える踊り」でした。
舞台もちゃんと使って、華もある、しっかりしたタラントで、ガラッと舞台の雰囲気が分かったのがわかりました。踊り慣れてらっしゃるのが分かります。後半パワーダウンした感じが残念でした。

B-14藤岡里織さん
一番最初のソレアのジャマーダからうねりのあるコンパス感に持って行かれました。歌も聴けていて、ソレアの世界観が伝わってくる素晴らしいソレアでした。後半少しだけパワーダウンしてしまったのがちょっとだけ残念でした。

B-22吉田智宏さん
思わず笑ってしまうほどの楽しいアレグリアスでした。独自の世界をお持ちで言いたい事がビシビシと伝わってくる上、テクニックもしっかりしていて最高のアレグリアスでした。

B-32中里眞央さん
身体のコントロールのみならず、「舞台」というもののコントロール力が抜群でした。テアトロを生かした踊りだったと思います。ブルーグリーンの衣装も良かったです。

B-54常盤直生さん
出だしからパッとご自身の空気を出せていたと思います。舞台の空気が変わりましたね。歌も聴けていて、自分の言葉も持っていて、振付ではなく彼女の言葉で踊っていたのがすごく良かった。エスコビージャで少し気になるところがあったのが残念です。

その他、私の心に残ったのは以下の方々です。

B-25菊原まりさん
去年よりレベルアップされていて、ご本人の「楽しい!」が溢れるアレグリアスでした。伝えたいものがしっかり伝わっていました。ただ、ブエルタの時に首がつかないのが気になるのと、ご自身のスタイルに合う衣装選びをされるとよろしいかと思います。

B-28大里尚子さん
自分の言葉がしっかりある硬質なイメージのカーニャでした。身体使いも美しく舞台も使っていて、衣装も良かった。ただ、足の音が終始弱く、もっと強い部分と強弱がつくと良かったのではないかと思います。

B-39地紙直美さん
センター板付きが多い中、登場の仕方に目を惹かれました。自分の世界があり、歌もしっかり聴けていて、どっしりとしたシギリージャでした。その反面速度感が変わらずメリハリがあまりなく、盛り上がりに欠ける部分がありました。

B-52川田久美子さん
去年に比べてびっくりするぐらい踊りが変わりレベルアップしましたね。ブエルタも綺麗だし、クエルポなどもしっかり使えていますが、表情が気になりました。

B-56荒濱早絵さん
シンプルでフラメンコらしい振りで全体的にまとまりが良かったです。テクニック的にはとても良いのですが、もう一つご本人の声が聞こえてこない感じが残念でした。

 

菊地裕子(外部有識者/評論ライター)【Bg,Bs】

【総評】 

バイレ(群舞・ソロ)に関しては、3日間とも、全体的に舞踊レベルがかなり底上げされていると感じた。そのせいもあってか、個人的には突出した個性やフラメンコ性を感じさせてくれた演目に目が行った。同時に、フラメンコの多様性は承知の上で、「そこに愛はあるんか?」と問いたくなることも少なくなかった。「愛」ってつまりアフィシオンのことだ。奨励賞はそういう観点をベースに選ばせていただいた。 講評としては、フィジカル面の評価はプロの皆様にお任せし、主に舞台表現、フラメンコとして求められるいくつかの要素に的を絞り、私が一定の評価をした演目に限って書かせていただく。 

 

以下、私が評価をした基準(あくまで私見)について。 

バイレとは、単に音楽やリズムに乗って舞うものとは違い、カンテやギターと同じように、伝統に根付いた、フラメンコでしか成し得ないやり方で、他の2者と向かい合い、共鳴し、触発し合って生まれる、やむにやまれぬ身体表現だと考える。 また、新人公演が大きな舞台で行われる以上、広い空間をどう自分のものにし、観客の目を釘付けにできるかも、舞台に立つ者として必要な要素。 ソロであれ群舞であれ、舞踊技術や舞踊スタイルがどうであれ、最も重要な点は、その振付や構成を踊り手自身が消化できているか、フラメンコ表現として感性に訴えるものがあるかということ。 そして願わくば、気高くあってほしい。高い精神性と感性と品格を持ったものであってほしい。 

 

(★=奨励賞に推薦、☆=次点に推薦、◎=高評価、〇=評価) 

【群舞部門 8/11】 

〇Las Tres Gracias/アバニコを使った3名による美しいグアヒーラ。トップバッターで緊張したせいか、最初は少し動きが硬かったような。しかし、全編を通じて、舞踊の技量以上にフラメンコで表現したい気持ちが伝わり、好感が持てた。 

★LLAMAS DE FRAGUAS/7名でのアバンドラオス。なんてワクワクする群舞だったろうか。個々人の技術の高さを根底に、リズムと唄と共に生きるバイレの素晴らしさが、全ての動き、表情、またフォーメーションの変化にも感じられ、エンディングまで一切飽きさせなかった。フラメンコの群舞がどうあれば良いのか、常に悩ましい問題だけれども、ここにひとつの答えを見出した気がする。総勢7名がひとつの生命体のようにコンパスを感じさせるというのは快挙としか言いようがない。オレ‼ 

◎El Vient de Toyama/3名によるカーニャ。個々人の舞踊レベルが高く、見ごたえがあった。ただ、後半の盛り上がりに比べ、前半は舞台から伝わるエネルギーが少し弱く、カーニャで何をしたいかが不明瞭にも感じられた。もう少し練り直して、再挑戦なさっては? 

 

【バイレソロ部門 8/12】 

〇本多清見/シギリージャ。何度も拝見しており、特に今回は精進のあとがうかがえた。だが出場者全体のレベルが上がっているせいか、自発的な動き、こう表現したいという欲求が感じられないと、その他大勢の中に埋もれてしまう。あと一歩、殻を破って! 

◎青木千鶴子/非常にストイックなシギリージャ。表現力が上がり、動きに必然性が感じられた。努力を積み重ね、曲を研究し、年々成長しているのがわかる。私は感動をもらいました! 

〇新田晶野/シギリージャ。バランスが良く、身体もできている。前半はとても良かったが、中盤からラストにかけて、やや単調に。もう少しメリハリが欲しかった。 

〇岡田麻里/タラント。動きがこなれていて、踊りこんでいるのがわかる。だがそれがかえって予定調和的に見え、今ひとつ心に響かない。即興でなくても、今ここで生まれた動きのように踊ることは可能です。要研究。 

〇仙場なお美/シギリージャ。曲をよく理解し、世界観を持って踊っている。すごく成長しましたね!あとはゆるがぬ世界観をもっと表現するため、大きく空気を動かすため、身体づくりをもっと。 

〇片野佳加/タラント。踊り手としての身体もできているし、表現も上手。けれども私のメモは「?」だらけ。まるでスポーツのようで、バイレって何だろうと思わされた。観る人の心を動かすには、自身が刻みこまれた何かを差し出さないと。 

〇髙野正子/ロマンセ。舞踊技術はあるが、全体に漫然と踊っている印象で、振付に沢山ある仕掛けの面白味が今ひとつ伝わらない。どうしてそう踊るのか、細かく要研究。 

◎藤岡里織/ソレア。とてもバランスが取れた踊りで、緊張感もあった。優れた踊り手だと思う。心地よさに、ソレア好きの私は見惚れてしまった。今後はひとつ、もっとどしん!とくるものを探ってください。 

◎瀧野晴美/ソレア。良く踊れているが、何度も何度も踊り慣れた感じに見受けられる。故に驚きを生まない。間違うことを恐れず、自分で自分に驚くほどに、もっとその先へ!そこからがフラメンコ! 

〇衛藤絵美/シギリージャ。普通に上手。安定感もまあまああり、踊り込んでいる様子。曲の肝もわかっている感じ。悪いところはないのだけど、全てがまあまあ。足りないのは、曲の輪郭を彫ること。そして自分がしたいことを鮮明にすること。 

◎千葉真優美/ソレア。バランスが取れている。重さもあり、奇をてらわず、バックと良く共鳴して説得力があった。ただ、体力がもたなかったのか、ラストにかけて失速した感。極めて残念! 

〇前智美/ソレア。フラメンコを良く理解して真摯に踊っている。よき。後は、中をもっと膨らませて、大きく踊る工夫を! 

★吉田智宏/まごうかたなきアレグリアス!それを自分のものとして踊り切った。言うことなし。なにこの進化、最高!吉田智宏ばんざーい‼ 

◎伊藤美恵/素晴らしいアイレを湛えたタラント。品があって、愛を感じます。欲を言えば、もう少し太い線があればなあ。あなたの魅力がさらに力強く伝わるように。 

★菊原まり/アレグリアス。身体がよく動いて表現豊か。シレンシオとの対比もgood! この曲が本当に好きなんだろうなと思わせるほど密度が濃く、、全編にぎっしり身が詰まっている感じ。非常に楽しかった! 

◎大里尚子/カーニャ。自分の世界観で踊り切った。空間を動かそうとする大きな踊り。よきよき。後は、本当に空気を動かすこと。大きく育て!  

 

【バイレソロ部門 8/13】 

〇小野寺麻佑/アレグリアス。踊り手としての身体はできていて、動きのラインがとても美しい。しかしやや機械的で、フラメンコの匂いがしてこない。技術以外の肝(それもフラメンコの技術ではあるけれども)はどこにあるのか、人はなぜオレ!と言うのか、研究してほしい。 

◎加藤のぶこ/タラント。フラメンコとしての志の高さを感じた。全体的にとても好ましい。後は一つひとつの動きのエネルギー、重さ、密度をもう少しずつ上げていくことを考えて。

◎中里眞央/タラント。舞踊の技術もセンスも資質も満点。ただ、困ったことに私にはフラメンコの感興が湧かない。言葉にするのは難しいが、フラメンコは極めて感情、感覚の産物であって、そこにコミットしないと心は動かない。美しく踊ることには何の問題もないのです。ただ、フラメンコの何によって何を訴えたいのか、問題はそこ。 

☆畑中美里/タラント。緩急があって、最後まで釘付けにさせた。大人っぽく、とても雰囲気のある、しかしどこか都会的な魅力を感じさせるタラント。成長著しい!欲を言えばもう少し土の匂いが欲しかった(お名前がお名前だけに←冗談です)。奨励賞に推す最後の1人をどうしようか死ぬほど悩んで次点にしましたが、受賞されて本当に嬉しい! 

◎山﨑嬉星/シギリージャ。何だろう、この自由で伸びやかなバイレは。型にはまらない面白味にぐっときた。新時代のフラメンコ?いやまだわからない。いつか、あなたのソレアが観たいな。

★地紙直美/シギリージャ。フラメンコのカッコよさを最も感じさせてくれた。力が抜けたように見えるところすらカッコいい。曲の全ての流れや息遣いが踊り手の身体を通してわかるって凄いこと!魅了されました。 

◎中村太香子/ソレア。良い資質を感じさせる。だが、こういうシンプルな振付こそ、もっともっと身体の軸を太く強固にしないと、表現したいことが伝わりにくい。そのまま精進を続けてください。

◎吉田芽生/カーニャ。ムシコスとの一体感が素敵。カンテのラメントのところの足音が気持ちよくて鳥肌が立った。なんとも優雅でおしゃれな演目だった。期待大。他の演目も観てみたい! 

〇中川直美/ソレア。自分のやりたいこと、やるべきことを良くわかっている感じ。そこは良い点。後は一つひとつをもっと丁寧に、重さを感じて踊ることかと。 

〇稲沢静/ソレア。バランスの取れた踊りだが、強い印象を残さない。フラメンコの面白味はどこにあるか、もう少し探って、あなたの「これ!」が随所に表れるようにしてほしい。 

〇持田賀津子/ティエント。自分の色を持っているのは凄いこと(パンフレットの文言を読まずにメモしていました)。個性的であることには絶対的価値があると思う。それにしても、こう来ましたか。面白い!後はもっともっとフラメンコを研究すること。 

◎高尾優子/バタ・デ・コーラのシギリージャ。バタをまるで身体の一部のように自然に扱っていて、それがコンパスと連動している様はとても見事だった。美しい!後はもっとフラメンコとして深く掘り下げた表現を目指してほしい。 

★小林浩子/タラント。何とも独特の世界観を持った踊り。ステージの使い方も上手く、流れにもメリハリがあって、非常に面白味のあるフラメンカだと感嘆した。自分を刻印するってなかなかできないこと。見事でした! 

◎川田久美子/ソレア・ポル・ブレリア。フラメンコにおける自発性を感じさせる踊り。見せ方の工夫も随所に。精進されてきたことが良くわかった。あと、もう少し軸を強く、太く!

★常盤直生/ソレア。終始、踊り手の強さ、潔さ、ゆるぎなさが感じられて、大変に魅力的だった。技が結構沢山詰め込んであるのに、それがうるさく感じられないのは技量の高さか。精進しましたね。私は魅了されました。

◎荒濱早絵/ソレア。オーソドックスな振付を完璧に近い形で踊った。それがどんなに難しいことか、踊りをやる人なら皆、知っているはず。今後の課題は、誰でもない「自分」をどう表現していくか。「自分」をどう刻み付けていくか。頑張ってー‼

小林伴子(副会長、バイレ)【Bg】

フラメンコ舞踊の特性から、私には群舞の評価がいつも難しい物になっています。あくまで個人的見解ですが、他のジャンルの群舞、特にバレエやモダンダンスでは踊り手の形や動きを揃えて調和を図ろうとする傾向が強いと思います。フラメンコでは、お互いの気を感じながら踊る、音楽家達と一緒にコンパスを共有するという醍醐味(?)があり、群舞であっても私はそれを基本に据えたいと思っています。

NO.3 「LLAMAS DE FRAGUAS」 は、メンバーそれぞれが踊る事をたのしみながらも一緒に作品に参加する歓びが伝わって心地よく、多くの審査員の共感を呼び奨励賞に選出されました。

NO.1の「Las Tres Gracias」 は 3 人で時を共有しお互いに気持ちのキャッチボールがあり扇子の使い方も斬新で、素晴らしいと思いました。

NO.2 「響」は、ドラマチックなプロローグとエピローグはとてもインパクトが有り、全体に気迫のこもった演技が印象に残っています。始まりがとても印象的だったので、その空気感が続かなかったのが残念です。

NO.4 「島崎リノフラメンコスタジオ DaiDai」様々なレベルの方達がひとつになって作品に参加する意気込みが感じられ好感! ただ大勢で小物を使うと、どうしても動きを揃える事に注意が向かってしまい、フラメンコの楽しみから遠くなってしまったのでは…。

NO.5 「El Viento de Toyama」3 人の心意気が伝わる意欲作でしたが、その心を一つにしての新たな挑戦が、当日の舞台では緊張のせいか 1 人1人がそれぞれに頑張っているように見えて、残念に思いました。

今回、扇子、マントン、バタ、でのチームが多くとても華やかな群舞の会となり、観客としてはとても楽しませて頂きました。審査員の立場として、群舞での小物使いの難しさを改めて感じましたが、それゆえにこの楽しくも難しい小物使いに挑戦するチームが増えてくれる事を期待します。

齋藤克己(理事、バイレ)【Bs】

配信を見ずに劇場でのメモを書きます

9 片野佳加 姿勢も良く、内圧(古いかな?)も効いた大きな踊りでした しなやかでエレガント 視線も定まっていました
14 藤岡里織 身体のバネを活かした上品なソレア 個性的な動きの工夫も見えました。
22 吉田智宏 今回も素晴らしかった 今田さん大渕さん容昌さんとの良い雰囲気もバッチリ!ぼくのハレオ聞こえましたか?
32 中里 眞央 情熱的に奇を衒った振り付けをしっかりと踊っていた フラメンカな衣装にすれば もっとタラントらしく見えるのに・・・残念
35 畑中美里 落ち着いた踊りの中に個性的な美しい動きが鏤められていた enaguaが光って見えたのが気になった
39 地紙直美 重厚感のある魅力的なシギリージャでした 音の3人ともしっかりとコミットしていました
42 吉田芽生 素晴らしい振り付けを斬新な着こなしで舞ったカーニャ 好きです!
56 荒濱早絵 華麗な圧巻なソレア 内に感じるものを素直に表現することが出来ていてとても魅力的でした!

「新人公演」へ向かう日々の中で体験した全ての感情は この踊りの表現には大切な要素になるのかもしれません 皆さん全員が踊りの向上を得られたと思います(あれだけ練習したのですからね)皆さんの上達を期待しています

[ベストドレッサー]
19千葉真優美 オーソドックスな着こなしでお洒落だった 舞台構成も良かった

[特に印象に残った方]
31 加藤のぶこ 33 橋爪潤子 46 稲沢静 49 高尾優子 54 常盤直生

 

鈴木敬子(理事、バイレ)【Bg,Bs】

第32回 新人公演を観ての感想

舞踊家 鈴木敬子

「バイレ・群舞」<印象に残った群舞> 

Las Tres Gracias:踊り方や衣装・アバニコの使い方・フォーメーションに関しても、あらゆることが工夫されているのを感じる。とても可愛らしいグアヒーラで好感が持てた。/LLAMAS DE FRAGUAS:一人ひとりの技術が高い。次々に展開していくフォーメーションが無理なく展開し、グループの皆心ひとつに楽しみながら踊っているのが伝わった。

「バイレソロ」<印象に残った方> 

本多清見さん:しなやかなブラッソが良い。曲の後半に熱量と集中力が増して更に良くなった。/青木千鶴子さん:踊り慣れていてドラマチックな表現と美しいカタチが印象に残った。今回はまた別の顔をみせてくれた。後半マチョに入るところでもう少しエネルギーが欲しかった。/新田晶野さん:キレも良くサパテアードが良い。全体的に踊りの中のパルマが弱い。柔軟性を持って表現の幅が広がるように頑張って欲しい。/岡田麻里さん:踊り慣れている。更にペソを増すためには、細かい動き(パソ)を減らしてはと感じた。/平賀友子さん:フラメンコ的な“ため”が上手い。ブラッソの動きが小さいのと首が揺れるのが気になった。/片野佳加さん:身体のラインが美しい。舞台映えのする大きい踊りでとても良かった。/齋藤朋之さん:シンプルな動きの中で人生を語る踊り。時折見せるシャープな動きが目を引く。毎年挑戦されていることが素晴らしい。/藤岡里織さん:安定感のある踊り。ブラッソの使い方が良い。/瀧野晴美さん:パワーのある踊り。集中力があり踊りに引き込まれた。/山谷祐子子さん:上体ブラッソ共に強い集中力で魅せた。安定していてとても良かった。/藤岡素子さん:最初硬かったがエスコビージャの半ばからテンションも上がり表情も良くなった。/千葉真優美さん:踊り慣れた安定した踊り。カンテのパワーが凄すぎて踊りが弱くみえてしまったように感じた。/大塚淳子さん:昨年よりパワーが増した。動きの硬さと曲の後半に少し表情が苦しくなったようにみえた。/前智美さん:サパテアードが強いが、ブラッソや動きにもっと柔軟性が欲しい。/吉田智宏さん:個性的な踊りで会場を沸かせた。姿勢と大技などの後の身体のブレ・グラつきを直すと更に良くなると思う。/菊原まりさん:踊り慣れている。楽しんで踊っているのが伝わり、曲の後半特に盛り上がった。/小野寺麻佑さん:ゆったりした動きでの身体の美しいラインが印象に残った。逆に動きが流れがちにもみえた。/辻めぐみさん:表情が明るくとても美しかった。/加藤のぶこさん:ブラッソ・マノの使い方が良い。サパテアードが安定していて良い。/中里眞央さん:身体が良く動きサパテアードも強い。年々良くなっている。/畑中美里さん:前回観た時より素晴らしく良く変わっていた。踊る表情もタラントだった。/山﨑嬉星さん:柔軟性のある大きな踊り。フラメンコ的なペソが増せば更に良くなる。これからが楽しみ!/木村久子さん:ペソがありフラメンコ的な動きが上手い。逆にうごきがブレたりもたつく時もあったが強くて印象に残る踊りだった。/地紙直美さん:ブラッソが滑らかで良い。集中力と安定感のある良い踊りだった。/中村太香子さん:メリハリがあり印象に残る良い踊りだった。/吉田芽生さん:身体の美しいラインが印象に残った。エレガンテなバイレ。また次回の踊りも観てみたい。/小林由佳さん:曲の後半テンションも上がり会場を沸かせた。フラメンコを楽しんでいるのが伝わった。/高尾優子さん:しなやかな身体の使い方で踊りが上手い。難しいバタ・デ・コーラのテクニックをこなしていて見応えがあった。/奥田敦子さん:テンションが高くエネルギーが伝わった。特に曲の後半強さが出て良い踊りだった。/常盤直生さん:安定感がありテンションも高い。メリハリのあるバイレで引き付けられた。/宇田川元子さん:カスタネットの音色が良かった。岡田昌巳先生のあとを引き継いでいって欲しい。/荒濱早絵さん:安定したバイレ。最初硬く感じたが後半にどんどん良くなった。これからの活躍が楽しみ。

鈴木眞澄(専務理事、バイレ)【Bs】

新人公演にご出演くださった皆様、ありがとうございました。この意見が少しでもご参考になれば幸いです。

川嶋さん…難しい事に挑戦して頑張りました。

本多さん…思いっきり力を込めた動きがあったら良いです。

青木さん…新しく作ったものよりもご自分の中に積み重ねたフラメンコが見たかったです。

横畠さん…人生の深みが見えて素敵でした。

新田さん…素直に踊ってらして好感が持てました。照明のトラブルにもめげずに踊り続けたことがたくさんの糧になるのでしょう!上半身の動きを考えてみてください。

岡田さん…構成のシンプルな部分もあると良いと思いました。

仙場さん…コンパス感が感じられて嬉しかったです。

平賀さん…首の芯が揺らぐのに注意してください。

片野さん…コンパスの波のようなものを感じてみてください。

酒井さん…体の使い方をもっと学んでずっと踊り続けてください。

中原さん…内面から自然に出てくる表情が見たかったです。

齋藤さん…静と動のメリハリがあって動きをそぎ落とした感じがよかったです。

髙野さん…人生の素晴らしさを感じました。

藤岡さん…フラメンコらしさがあってよかったです。

瀧野さん…力強くてよかったですがゆるめの動きも必要かと思います。

山谷さん…キレがよかったのですが単調な感じがしました。

衛藤さん…上半身の動きは全体が連携している事を考えてみてください。

藤岡さん…雰囲気のある振りもあり曲がお似合いでした。

千葉さん…カンテを受けとめた様子に胸が熱くなりました。これからそれをどう取り込んで自分自身を表現していくのかが楽しみです。

大塚さん…曲や唄の意味を考えるのも良いと思います。

前さん…もう少しキレがあると表現が広がると思います。

吉田さん…挑戦する姿にオレーッでした。ご自分も楽しまれましたか?

岩崎さん…腕の動きにバリエーションを持たせたら良いです。

伊藤さん…後半のタンゴのノリを見たかったです。

菊原さん…笑顔はいつも内から出たものだったのでしょうか?

福井さん…マントンは素晴らしかったのですが心の動きをもっと見たかったです。

檜さん…上半身を使っての表現をより大きくしたら良いです。

大里さん…キレが良く、場面の色がうまく変わっていました。

小野寺さん…舞踊性は抜群でしたがフラメンコらしい味わいが欲しかったです。

辻さん…音楽面の構成が素晴らしかったです。

加藤さん…タラントはもっとメリハリをつけて、タンゴのノリは素敵でした。

中里さん…演出、構成と踊りの技量は素晴らしかったです。ただ私は生の息遣いでのやりとり、予測不能な緊迫感がフラメンコの醍醐味でもあると考えています。いつか決められたものではないフラメンコも見たいです。

橋爪さん…熱さが感じられてよかったです。力みすぎないように。

高橋さん…華やかで素敵でした。もう少しメリハリがあると良いです。

畑中さん…動きの大小や緩急も考えてみてください。

山﨑さん…これからもいろいろな挑戦をしてください。

木村さん…熱さが感じられ素敵でした。

小西さん…一つ一つの動きの意味を考えるともっと踊りらしくなると思います。

地紙さん…止まった時の視線を意識してみてください。

佐藤さん…体の芯がぶれるので気をつけて。

中村さん…同じパターンの手の動きを減らしたらもっと良さが生きると思います。

吉田さん…熱い思いが見えて嬉しかったです。

中川さん…力の入れ方に強弱があると良いです。

鈴木さん…フラメンコの喜びが感じられて嬉しかったです。

川口さん…心を込めてそれを伝えるにはどうしたらいいのか私も考えていきます。

稲沢さん…より大きな花を咲かせられたと思います。また基礎から頑張ってください。

持田さん…タンゴのノリが良く気持ちが伝わってきました。

小林さん…力強いフラメンコで嬉しかったです。

高尾さん…ドラマチックな構成がよかったです。

奥田さん…落ち着いた感じの中にキレもあり熱いものも感じました。

小林さん…終始険しい表情だったことが印象に残り残念に感じました。

川田さん…表現豊かでよかったです。

折橋さん…いつも体の芯が揺らがないように気をつけてみてください。

常盤さん…キレも良く熱いフラメンコでした。

宇田川さん…素晴らしい表現力で素敵でした。劇場で踊るためのメイクも考えてみてください。

荒濱さん…熱い想いが伝わってきて嬉しかったです。

曽我辺靖子(副会長、バイレ)【Bg,Bs】

心に残った方、及び「C.選考委員会による講評」を希望された方に対しての講評です。

 

(11日) バイレ・群舞

Las Tres Gracias:三人の衣裳・アバニコのバランスも良く、更にバックとの一体感も伝わり引き込まれました。もう一度観たい作品です。

響:バタ・デ・コ-ラを駆使して独自の世界観を表現していましたが、マントンを使った意図が伝わってこなかったのが残念でした。

LLAMAS DE FRAGUAS:曲の作り方・構成ともに面白く、それを体現した七人の動きとパワーに終始圧倒されました。ラストが特に印象的でした。

島崎リノフラメンコスタジオ DaiDai:目が覚めるような赤地に白のマントンを、舞台いっぱいに広げ良く使いこなしていましたが、もう少し重さが感じられたら良かったと思います。

El Viento de Toyama:それぞれの個性と熱意が伝わってきました。あともう一押し!欲しかったですね。

 

(12日) バイレ・ソロ  

本多清見さん:努力なされた跡が見うけられました。特にラストの唄を聴きながらの表現は印象的でした。

青木千鶴子さん:例年と違う貴女が観られてよかったです。身体の内に向けての安定感が増すとより良くなると思います。

新田晶野さん:良いものを持っている踊り手さんです。ブエルタは回り終わりが大切です。今後を期待します。

岡田麻里さん:ブエルタの切れ味良く、全身から溢れ出るバイレ。見応えがありました。

仙場なお美さん:成長の跡が見られます。難しい振りをこなしていましたが、シンプルな動きと基本を大切に。

片野佳加さん:重心が安定していて動きの流れが素晴らしい。体幹よく、体を良くコントロール出来ている。バックとの一体感もオレ!

中原千惠さん:振りつけの枠を超えて自分の踊りを探すとより良くなるでしょう。

齋藤朋之さん:内に秘めた踊り、今の気持ちを大切に踊っている姿に好感が持てました。

髙野正子さん:表現力のある人です。流れに乗り楽しんで踊っている姿に未来が!

藤岡里織さん:安定した重心、流れるような上半身の使い方、足音も良くメリハリもあり引きつけられました。不思議な魅力を持った人。

衛藤絵美さん:貴女の頑張りが伝わりました。体幹を鍛え、上半身の使い方を工夫するとよいでしょう。

藤岡素子さん:安定している上体、優雅さもあり一生懸命な気持ちが伝わりました。

大塚淳子さん:唄を感じて踊れるとより良くなると思います。

吉田智宏さん:全身から想いが溢れ出ている“アレグリアス”にオレ!

岩崎沙彌香さん:身体の芯で力を捉えることを学ぶと良くなるでしょう。

菊原まりさん:華やかさと踊る喜びがラストまで崩れず表現されていて心に残りました。今後を期待します。

大里尚子さん:身体が良く動いています。もう少し静の部分が観たかったです。

 

(13日)

加藤のぶこさん:貴女だけの貴女にしか出来ない踊りを見つけて下さい。

中里眞央さん:サパテアードの心地よい響きと共に一本筋の通った渾身の踊りに拍手。

橋爪潤子さん:力の配分を考えて踊ると更に良くなるでしょう。

畑中美里さん:自分の世界を作り上げた表現の素晴らしさに圧倒されました。

山﨑嬉星さん:荒削りながら若さ溢れるシギリージャに未来を感じました。

小西千絵さん:緊張感が顔に出てしまいました。もう少し動きにメリハリをつけると更に良くなると思います。

地紙直美さん:重心が安定していて良かったです。ブエルタの切れ味に一工夫を。

中村太香子さん:心から踊っている姿に引き込まれました。後半特に良い。

吉田芽生さん:リズムの乗り良く足音も力強く、流れのある踊りでした。

鈴木弘子さん:タンゴからのノリが良かったです。

高尾優子さん:バタ・デ・コーラと一体感のある踊りでしたが、もう一つ何か欲しかったです。

小林浩子さん:自分の世界観を持ちタラントに没頭している姿に拍手。

川田久美子さん:アイレも迫力もありました。細かい足を打つ時の身体のぶれが気になりました。

折橋恵子さん:努力の跡がみられ良い表情で踊っていました。衣裳の選び方をもう少し研究してみて下さい。

常盤直生さん:貴女のやりたい事や想いが伝わってきて気持ちの良いソレアでした。多少余裕が欲しかったです。

宇田川元子さん:先生への想いが伝わって来ました。

荒濱早絵さん:身体のぶれがなく、足の正確さもさることながら、感情表現もよく、貴女のフラメンコでした。

手塚真智子(専務理事、バイレ)【Bs】

○川嶋沙瑛子さん パリージョ、バタを良く練習した成果を思いました。ブラッソの使い方への意識が足らないように思いました。
○本田清美さん 気概を感じ、安定感もある堂々とした踊りでした。
○青木千鶴子さん  今回は以前に増した凄い執念?を感じたことです。テクニックも磨き続けて、毎回振り付け、構成を工夫していて感心します。私は執念と表現しましたが、情熱と言うべきことなのか?私には、真っ直ぐにフラメンコとしては伝わらなかったのでした。
○横畠由美子さん 止まる時に身体の芯のブレによる音とのズレが気になりました。
○新田晶野 ”大舞台で踊る!”その意気込みとその姿が潔く、清々しいと感じました。その潔さが今後予測もしないことに立ち向かえる素になるはずです。本当に良く踊りきりました!
○岡田麻里さん キレがあり、躍動感がありました。最後のポーズがドラマティックでした。
○平賀友子さん ポーズの美しさを感じました。
○片野佳加 しなやかな身体使いで良く踊っていました。
○中原千惠さん 顔の表情が乏しい印象でした。身体のひねりを意識するとブラッソの動きが良くなるかと思います。首のラインが綺麗でした。
○髙野正子さん 素晴らしい挑戦!でした。とても応援したくなった踊りでした。
○藤岡里織さん  丁寧に踊り込み品を感じました。
○瀧野晴美さん 力強くタメのあるソレアで見応えある7分でした。
○山谷祐子さん キレが良く、全体の流れが滑らかでした。
○千葉真優美さん ブラッソ、デドそして足音が綺麗でした。タメが欲しかったです。
○大塚淳子さん 優雅さを感じました。
○伊藤美恵さん 空間を良く使い、床を掴んで安定感のある踊りでした。
○菊原まりさん 目線の使い方が良い!生き生きとした”目”がとにかく印象に残りました。力み過ぎていたこれまでと違い身体も気持ちも楽になって踊っていた印象でした。ファルダがもう少し長いと身体のバランスが更に良くみえたのでは?とても良いアレグリアスでした。
○福井千嘉子さん マントン捌きが良かったです。
○大里尚子さん ブエルタの時のファルダの使い方がとても良い印象でした。引っ込みの振り返る瞬間が素敵でした。
○小野寺麻佑さん 若さ溢れるアレグリアスでした。
○辻めぐみさん 表現豊かで優雅でした。終わりのポーズが綺麗でした。
○加藤のぶこさん マルカール、ブラッソが良く、振り付けを良く理解して踊っていて好印象でした。
○中里眞央さん しなやかでメリハリのある踊りでした。
○橋爪潤子さん 力が入り過ぎのように感じましたが、熱演でした。
○畑中美里さん 足音から気持ちが伝わってくるようで、とても良いタラントでした。
○山﨑嬉星さん 身体がしなやかで熱演でした。
○木村久子さん 終わりのポーズに、余力があれば気迫が出ていたのではないでしょうか?
○小西千絵さん ブラッソが硬いように見え、全体の流れのメリハリに欠けた印象でした。
○地紙直美さん 舞台映えする身体で空間を良く使っていた。貫禄もあり堂々とした演技でした。
○佐藤雅美さん 小粋で笑顔が光っていました。
○中村太香子さん 思いのこもったソレアでポーズが美しい印象でした。
○吉田芽生さん しなやかで品のあるカーニャでした。
○中川直美さん 力強いソレアでした。
○鈴木弘子さん 踊り切った!の印象で最後のブラッソには思いが込められていたと思いました。
○稲沢静さん 丁寧に踊り込んでいるのが伝わりました。
○小林由佳さん 唄とコンパスを楽しんでいる印象で、迫力ある堂々とした演技でした。
○高尾優子さん バタ・デ・コーラがまるで身体な一部のような見事な捌きでした。
○奥田敦子さん 力強く迫力ある踊りでベテランの風格でした。
○川田久美子さん 舞台映えのする身体で踊り切りました!
○折橋恵子さん  タメが足らず抜ける時に爆発力が小さくて思いが届かないのは残念でした。
○宇田川元子さん 岡田昌己先生に捧げる思いが素晴らしいと思いました。
○荒濱早絵さん 表情豊かで若さと熱い思いが伝わって来ました。

 

高橋英子(理事、バイレ)【Bs】

新人公演講評12日
川嶋沙瑛子(シギリージャ)パリージョ叩きながらバタも捌く踊りは容易ではないと思います。安定しないブラッソが目立ってしまった感がありましたがよく健闘なさいました。歌振りはもっとパリージョが効果的に入るとよかったように思いました。
本多清見(シギリージャ)気の利いたリズム感あるパソをよく熟していますが、ただ単にその連続で全体的に山場の無い平坦な踊りになってしまっていた感があり残念です。カンタオールの熱い歌にただじっとしていたのがあっけない印象のラストとなりました。
青木千鶴子(シギリージャ)変化があって飽きさせない構成の素敵なシギリージャでした。心を籠めてシックに、そして確実に踊り込んでいてとても良かったのです。演技に熟した表現力、存在感を要求される場面もあり更なる成長が期待されます。又、上体に柔らかさ、ブラッソの優しさが加わるともっと表現の域が広がると思いました。
横畠由美子(シギリージャ)バイオリンやカンテも雰囲気ありましたので気持ちよく踊れたと思います。パリージョもしっかりと、全体的によく健闘なさっていて好感が持てました。また挑戦してください。
新田晶野(シギリージャ)キリッとした容姿で意気込みも感じられとても素敵な印象を受けました。パソも上手くこなし、サパテアードもしっかりしていました。ただサパテアード以外の振り付けにもっと流れるようなブラッソの組み立てがあると踊りがもっと映えるように思いました。頑張ってください。
岡田麻里(タラント)タラントの持つ重厚な雰囲気はないですが、とてもリズミカルで手の込んだ振付が楽しめました。人目を引く容姿に衣装も振りも現代的センスのフラメンコで軽やかなノリ、演技力もあり華やかで良かったです。
仙場なお美(シギリージャ)身体を自分なりに精いっぱい使って頑張っているのがわかりました。いい感じなところもある反面、随所でブラッソやマノの動きに粗さが目立ち今後の修正課題でもあるように思いました。頑張ってください。
平賀友子(ソレア・ポル・ブレリア)込み入ったパソやサパテアードもしっかり練習して無難にこなしていました。後は芸術的レベルでどれだけフラメンコらしいアイレを感じられる踊りにしていくかでしょうか、頑張ってください。
片野佳加(タラント)スラっとしていて上品な雰囲気が印象的でありました。踊り出すと決めがシャープで力強さもありなかなか良かったと思います。大きな体?を持てあますことなく使い切って違和感なく、複雑なパソも綺麗に熟していて、特に強い押し出しはないですが素敵な踊りでした。
酒井直子(ソレア)一風変わったイメージですが、それは姿勢が関係しているのか?よくわかりませんでしたが、しっかり頑張って踊られていました。まだまだこれから勉強できることが沢山ありますので頑張ってください。
中原千惠(グアヒーラ)とっても可愛らしいグアヒーラ。バイオリンが利いていて映えました。しっかり踊れていましたが、もうちょっとニコッとしてくれると愛嬌あって良かったですね。頑張ってください。
齋藤朋之(ソレア)自分の世界を淡々とありのままに踊っているのが自然でいいと思います。派手な作為をしないでオーソドックスに感じながら踊っているのが伝わってきました。渋いです。
髙野正子(ロマンセ)とっても楽しいブレリアで、それは本人も楽しんで踊っているからそれが伝わってくるのですね。このアイレでフラメンカに踊るのは難しいかもしれませんが、よく健闘していまして滑稽な振りも違和感なく、ちょっと前かがみ気味でも個性となり総合的なバランスで不自然ではなく生き生きしていて良かったです。
藤岡里織(ソレア)目元がクリスティーナ・オジョスを彷彿させ印象的。動き出すとそのフラメンカなムードに惹きこまれる。細かな難点を覆い隠す腰の据わった存在感で圧倒しました。オーソドックスな振り付けも功を奏したと思います。
瀧野晴美(ソレア)気の入った踊りでパソが混み入っていましたので上体が固くなってしまったような感じがしました。とは言っても、なかなかいい味もあり、レマーテも随所でしっかり決まり見応えありました。頑張ってください。
山谷祐子(シギリージャ)画一的な振りの展開で動きが単調ですが、睨みつけるような険しい表情で気迫を感じさせました。とても冷静に踊りその鋭い所作が独特のムードを持っていると思いました。
衛藤絵美(シギリージャ)清楚な品のある踊り、上体が歪まずマノも綺麗に動いていているので安心して見られます。特にこれといった押しがないですが、本人に合った無理のない構成がただ異常に気が入ったシギリージャと違ってそこはかとない想い入れを感じ良かったです。もっとアンティックなブラッソを取り入れると輝いてくると思います。
藤岡素子(タンゴ・デ・マラガ)自由にコンパクトに振付けられたタンゴ・デ・マラガ。きちんとハッキリとパソを熟していきサパテアードもしっかりしていて爽やかな好印象を受けました。ラストを工夫して粋な感じで仕上がっていましたので、その前のタンゴ歌がもうちょっと明るく盛り上がると全体が締まり効果的だったように思いました。
千葉真優美(ソレア)オーソドックスなソレア、歌を感じながら大人っぽいイメージでしっとりキリッと踊られていてとても良かったです。とにかくバックの熱の入った歌が凄かったので自然にフラメンカになれたのだと思います。とても舞台で輝いていました。
大塚淳子(カーニャ)うまくまとまったカーニャを落ち着いてしっかり踊っていらっしゃいました。体格が良さから出てくる重たいイメージがありますので、その重量感がフラメンコのペソに変化すると踊りが輝いてくると思います。頑張ってください。
前智美(ソレア)とっても熱が入っていて一生懸命踊っているのがわかり好感が持てました。各パソをしっかり熟し、よく踊りきったという感じですが、パソより大事なものが隠れてしまった感があって残念なところではあります。
吉田智宏(アレグリアス)振付の随所に工夫があってその個性的な所作も観る側の目を引き飽きさせない、パソひとつひとつよく熟して、大変そうにも見えましたが大健闘、その心意気が伝わり好印象でした。とても楽しく拝見しました。
岩崎沙彌香(ソレア・ポル・ブレリア)とっても足が強くてエネルギッシュ、元気はつらつとしていていました。これから抑える、溜めこむ等も勉強して軽くならないように気を付けて頑張ってください。
伊藤美恵(タラント)モダンなアイレの振付、上体の動きも綺麗でしたし時々フラメンカに見えました。ちょっと硬くなっている感がありましたが自分に素直な踊りで良かったと思います。
菊原まり(アレグリアス)表情豊かで生き生きとしていて嬉しくなるアレグリアス。とても慣れている感じでした。上体ブラッソも綺麗ですし、広い舞台で伸び伸びと自分の世界を踊っていて見ていて気持ち良かったです。
福井千喜子(カーニャ)小さな体?を最大限に使っての大熱演、良かったです。マントンがとても舞台で映えていて壮観でした。ラストのマントンさばきも決まりました。
檜 直子(ソレア)静々としっとりした雰囲気で始まり、歌振りも上体のコロカシオンが綺麗に映えていました。腰もしっかりしていて落ち着いた雰囲気のソレアで雰囲気がありましたが、エスコビージャの飛び跳ねに要注意、要研究ですね。
大里尚子(カーニャ)伝統的なカーニャのアイレとはまた違ったモダンなアイレでリズミカルな躍動的カーニャに仕上げ、動の中でのフラメンコを追求していたようです。パソを確実に熟し、粋っぽい仕草もちらほら、それなりに楽しめる踊りでした。上体の動きやブラッソ等や他にも改善の余地があると思いました。頑張ってください。

新人公演講評13日
小野寺麻佑(アレグリアス)足腰しっかり、きちんと振りを追っての演技で安定していました。チャーミングな笑顔がかわいく、腰を下ろすジャマーダはバレエ的でちょっと違和感を感じましたが、踊る楽しさが伝わってきました。
辻めぐみ(グアヒーラ)椅子に座って始まるサリーダのアバニコが雰囲気あり優しく品のあるグアヒーラでした。途中の振りの随所に愛嬌ある仕草がちらつき楽しめました。白いアバニコに合わせたようなタイツや靴が白く目立っていました。
加藤のぶこ(タラント)安定したテクニックでしっとりと踊られ、嫌味の無い正当的なタラントで良かったです。残念なのは、例えば手を叩くようなアクションに確実性が乏しく軽い感じになってしまっていたことです。もう少しドラマティックな身のこなし、表現があってもよかったかなと思いました。頑張ってください。
中里眞央(タラント)衣装も振付もおしゃれ、確実なテクニックで素敵なタラントが楽しめました。舞踊的な芸術テクニックや表現をちりばめた決してやさしくない振付を難なく踊られていて素晴らしかったです。
橋爪潤子(シギリージャ)意気込みを感じさせられました。気を入れてサパテアードも頑張りました。ぐらつきが目立ちましたがよく健闘して踊り好感が持てました。上体の表現も少し研究してみてください。
高橋亜也子(アレグリアス)小粒なサクランボみたいな、笑顔が華やぎ、明るく可愛らしい演技でした。まだ技術的に修正できる箇所が多いですが今後が楽しみです。
畑中美里(タラント)フラメンコを感じた時の彼女なりの呼吸で独特な世界を持っていると思います。子気味よく聞こえてくるサパテアードは安定していて揺るぎません。小振りのブラッソですが芯があるのでおかしくありません。オーバーな感情表現はなく自然にフラメンカで気に入りました。
山崎嬉星(シギリージャ)綺麗な舞妓さんのような面立ちと柔軟な身体で舞台では目立ちます。踊り、パソに振り回されず、バレエ的な雰囲気の中でもしっかりマルカールすることを勉強するといいと思いました。
木村久子(ソレア)いやーよく頑張りました。バックのアポ―ジョ(協力、助け)にしっかり答える思いっきりいい演技で頼もしかったです。ちょっとイメージ的に想像つかない振りも出てきてなかなか楽しめました。
小西千絵(アレグリアス)小刻みな振りを次から次へと難なくこなしました。軽やかで明るい雰囲気を作り出し、ちょっとフワフワ感もありましたがしっかり踊っていて好印象、更なる精進を期待します。頑張ってください。
地紙直美(シギリージャ)ひとつひとつのパソを己で納得しながら全体をそつなくまとめた踊りでした。上体の動きに乏しいのが残念ですがフラメンカな雰囲気があり、動じない体幹で時にはふてぶてしさも感じさせる姉御風の踊りが余裕を感じさせました。
佐藤雅美(アレグリアス)笑顔が素敵で表情もアレグリアスらしい明るさを生み出していました。振りの感じが地味なのか、もう少しはっきりわかりやすいパソでないと表現が難しいのかもしれない?と思いました。
中村太香子(ソレア)独特の雰囲気が身体全体から匂ってきました。しっかりと自分を表現していたと思います。何と言うのでしょうか、どこか品性に欠ける感じがしてしまうのは前かがみの感じとそれを増長させる衣装とか、とても目立つマノの動きだとかでしょうか、修正しようと思えばあれこれあるようにも思いました。
吉田芽生(カーニャ)その大柄な?身体、それに負けない大きくしなやかな踊りが映えました。難を言えば、例えばブラッソからマノの表現の甘さ、ちょっと前かがみ等々、修正できることがいくつかあるように思いますが今後が楽しみです。
中川直美(ソレア)なかなか頑張って踊っていました。うまく決まっているところもあれば何をやっているのか分かりづらいパソ等様々でしたが自分のやりたいフラメンコを思いっきりやっている感じで良かったです。
鈴木弘子(ティエント)無理のない振付で歌振りを無難に終え、タンゴになってから表情が明るくなり盛り上がってきました。ちょっと振りの感じが現代風なところもしっかり頑張りました。ラストの印象的なポーズが良かったですね。
稲沢静(ソレア)無理のない自然な流れのソレアをしっかり踊っていました。フラメンコをやっている楽しさを感じているのが伝わってきて、好印象。これからもっともっと伸びていって欲しいと思いました。
持田賀津子(ティエント)体つきや目元の感じがラ・タティを彷彿させフラメンカなイメージ。踊り出しても時々タティっぽい動き(元気いっぱいの姉御風のノリがある)もあって頼もしかったです。まだちょっと若いですが今後が楽しみです。
小林由佳(ソレア)なかなかフラメンカで良かったです。気が入っていたので力んで硬くなった感もありましたが、呼吸を整えうまくレマーテが決まって行き、流れが自然にブレリアへ。表情もあり、歌の趣味もよく十分楽しめました。
高尾優子(シギリージャ)しなやかな身体で遠目でも上体が美しく映えていました。バタの捌き方が乱暴なような感じもしましたが難なく効果的に捌けていてスリルがあり楽しめました。エネルギッシュにしっかり踊っていてパソの乱れもあまりなく感心しました。改善の余地もあるように思いますので引き続き頑張ってください。
奥田敦子(シギリージャ)なかなかこれだけ踊れないです。かなりハードな技術も習得しています。力強くてシャープで想い入れも伝わってきます。影響力ある存在感に繋がっています。大人っぽいイメージ、振付も上手くまとまっていて踊りに惹きこまれました。
小林浩子(タラント)顔の表情に苦しみの中で必死に耐えながらも力を振り絞って果敢に闘っているようなイメージがつきまとい、体を張っての渾身の演技に引き込まれる世界がありました。しっかり踊り切りました。頑張ってください。
川田久美子(ソレア・ポル・ブレリア)観る人にこれでもかと自分の世界を見せる、そして問いかける踊り。それだけ自信を持っているのだと思います。確実で説得力あるレマーテやマルカールで決めていき表情も豊かで頼もしい。楽しめました。ダイナミックで派手、存在感あるフラメンカな踊りが気に入りました。
折橋恵子(シギリージャ)残念というか、勿体ないです。かなりハードで混み入ったサパテアードなんかのパソも熟しているのに、その場でこちょこちょとやっているだけのように見えてしまいます。いい雰囲気を持っているのに振付にブラッソが乏しい為なのか何なのか、表現に広がりがなく、周囲の空気を巻き込まないので見る側にアピールしない、そんなふうに思いました。そういう見かたもあるということで参考にしてください。
常盤直生(ソレア)エストレージャ・モレンテ風の顔立ちが魅力的ですが、踊り出すと一心不乱、男性的な豪快な場面が随所に表れます。はち切れる若さとパワー、パソの感じが最近はやりのアクション風、それはそれで楽しめました。現段階では修正すると良くなりそうなところも多いので引き続き頑張ってください。
宇田川元子(ベナモール)次回は是非パリージョでフラメンコを踊ってください!
荒濱早絵(ソレア)オーソドックスな振り付けでその自然な流れに従いメリハリをつけながらうまくパソをこなしていき、いい感じで踊りが盛り上がって行きました。真摯な姿勢が踊りに表れ、とても好印象、将来が期待されます。大いに頑張ってください。

堀江朋子(理事、バイレ)【Bs】

今年もバイレソロの選考委員をやらせて頂きました。やはり選考するというのは変わらず難しいのですが、今年は少し余裕を持ちながらフラメンコが好きな一個人として新人公演を真摯にそして楽しみながら見させて頂きました。出演者全員からそれぞれの個性、気迫、ここに至るまでの努力、想いなどが伝わってきて本当に素晴らしい公演でした。ありがとうございました!
私が特に印象に強く残った方です。
12日9番 片野佳加さん、柔らかさの中にもグッと抑えた強さがあり、初っ端から惹きつけられました。瞬間瞬間に垣間見える美しさ、強さ、フラメンコは「美」だけではないと思いますがそれも一つの個性、強みとして自分のフラメンコを追い求めてください。足音の音質の変化がもっと感じられれば更に良いなと思いました。
12日19番 千葉真優美さん、一つ一つの動きに迷いがなく内から出てくる素晴らしいソレアでした。歌との絡み、ギターとの絡みどちらもとても自然。ブレリアにペジスコを感じさせる瞬間があってこちらも自然に身体が反応しました。嬉しい瞬間でした。
12日25番 菊原まりさん、今ここで踊れているのが本当に嬉しいのだろうなと感じさせる、踊る喜びに溢れたアレグリアスでした。自分自身と向き合い努力して得た物を必死に掴みながらひたむきに踊るその姿はキラキラと輝いていてとても眩しく感動しました。
13日32番 中里眞央さん、圧倒的な存在感。舞踊性とは!?フラメンコ性とは!?とメモした自分がいるのですが、その有無を言わせないほどの自信とテクニック、ぐいぐいとマンダールしていくその姿は何か得体の知れない大きなうねりを纏って踊っているようにも見えました。感動!!
13日35番 畑中美里さん、タラントに向き合う時間が幸せだとご本人が言っている様に、曲の構成にも徹底的に向き合ったであろうと思わせる独特な雰囲気のある素敵なタラントでした。そしてエスコビージャの足音がピカイチ!強さだけに頼らない心地よい音色、コンパスを楽しんで足を打っているのが伝わってきて私まで楽しくなりました。
13日42番 吉田芽生さん、今年は比較的多かったカーニャの中で、私が一番心地良く感じたカーニャでした。表現力、テクニック、マンダールしていく力などが確実に備わっている、そして何よりその素直な心、踊りからその素直さが全面的に感じられて心打たれました。
13日54番 常盤直生さん、凄まじい集中力で踊りきった圧巻の素晴らしいソレアでした。正にCoraje!! 何かを出そうとか表現しようとかそういったものはもう全く感じられず、すべてが身体のそして心のど真ん中から出てくる感じ、私は完全にそれにやられてしまいました。Ole!!
13日56番 荒濱早絵さん、揺るぎない自信と高いテクニックで踊り切った圧巻の素晴らしいソレアでした。誰もが認めるその上手さの中に、踏ん張って努力をしてきたであろう生々しい部分が垣間見えるのがこれまた良く、一曲の中で何かを達観した様な大人っぽい顔に見えたり、急に遊び心が弾ける様なシャイな子供っぽい顔に見えたりするのがとても魅力的、惹きつけられました。

そして次に挙げた方も印象に残っています。
12日6番 岡田麻里さん、ぐいぐいガンガンと訴えかけて来る力強いタラントでした。強いな〜と思いながらも最後の方にはいつの間にか納得しちゃう、そんな説得力がありました。
12日15番 瀧野晴美さん、小柄だけれどとてもダイナミック。一本スッと筋が通っているソレアでした。
12日24番 伊藤美恵さん、コンパスがすごく感じられる踊り。柔らかさもあり強さもある、全てがとても自然でした。
13日31番 加藤のぶこさん、じっくりと、しっかりとタラントを踊っていたのが素晴らしかったです。そして一転、タンゴへの勢い。Ole!
13日39番 地紙直美さん、マルカへがとても素晴らしかったです。
13日41番 中村太香子さん、独特な勢いと雰囲気を持っています。勢いだけに頼らなければ更に何かが出てきそうです。
13日44番 鈴木弘子さん、流れるような自然なティエント、時にふっと見えるフラメンカな瞬間が堪りません。
13日48番 小林由佳さん、「ソレアへの愛!」が眩しかったです。
13日51番 小林浩子さん、ぐっと抑えたペソのある踊り、幻想的な終わり方でした。独特な雰囲気、自分の世界を醸しだせる方ですね。
13日52番 川田久美子さん、自分の中に確固としたものがあるので全てに迷いがない。時間が許すならソレア・ポル・ブレリアの歌をもっと踊ってほしい、見たかったと思いました。
13日55番 宇田川元子さん、広い空間を軽やかに踊るその姿は、まるで自由に空を飛ぶ小鳥、水の中をスイスイと泳ぐ魚の様でした。曲への愛と想い、感動しました。

本間牧子(理事、バイレ)【Bs】

出演者の皆さんひとりひとりの積み重ねてきた練習と努力、熱い思いを感じながら観させていただきました。たくさんの感動をありがとうございました。
私が大切に思うこと
①体幹、軸。
②脱力。この2つがしっかり意識できているとブラソ、マノ(パリージョ、アバニコ等持った時は特に要注意です)の使いが体のラインと繋がり自然な流れになり、またマルカール、体重移動を伴う振りも良い間を作ることができる、と思います。
③アイレ、とても大切!!何を感じどんな思いで踊るのか…自分の体のすべてを通し、思いの意志とエネルギーを発信する!…。簡単に言うことはできますが…難しいことですね…そして鏡を見る時、客観的に自分を観察よく知ること。長所短所好み苦手…。思い切り大好きを大切に自分のエステロを作って下さい!

(私の奨励賞)
12日
B-3青木千鶴子さん 構成も良く、ぶれない体幹とブラソの流れ、内面を魅せてくれて圧巻でした。
B-9片野佳加さん しっかりとした軸とペソ、体重移動、ブラソ 、マノの流れから伝わるアイレ。心を感じさせてくれました。
B-12齋藤朋之さん 軸を大切にした丁寧な踊り、かもし出す空気感と静止、心優しくなりました。
B-14藤岡里織さん レトラに寄り添うブラソ、マノ、体重移動、伝わるアイレ。とても良かったです!
B-15瀧野晴美さん 溢れるエネルギー、アイレ、力強さ、全力の踊り素晴らしかったです。
B-16山谷祐子さん シンプルな振りから伝わってくるアイレ、マノ、ブラソ 心安らぎました。
B-17藤岡素子さん オーソドックスのなかから伝わってくる力強さとアイレ! 大切なものを教えてくれました。
B-22吉田智宏さん 気合いと全力の踊り、一言で かっこ良かった!です。特に後半は圧巻でした。
B-24伊藤美恵さん レトラの間、アイレ良かったです!脱力もよくできていました。
13日
B-32中里眞央さん 安定感と全身から発するエネルギー!表現力に感動です。
B-33橋爪潤子さん 構成も良くメリハリがあり、すごーい迫力!!。
B-35畑中美里さん レトラの部分の表現、そしてタンゴの盛り上がり、とても良かったです。
B-36山﨑嬉星さん 力強く迫力があり炎のような踊りに引き込まれました!。
B-39地紙直美さん 安定感とペソ、間合いが良かったです。
B-52川田久美子さん 安定感と無駄のない動きマルカへ、伝わってくるアイレ、素晴らしかったです。
B-56荒濱早絵さん 力強さとペソ、全身からみなぎるエネルギーに圧倒!!!

☆出演されたすべての皆さんのこれからの活躍と発展を心より願い楽しみにしております。

宮内さゆり(理事、バイレ)【Bs】

受賞者の方々おめでとうございました。
昨年は、初めて選考委員となり戸惑いながらの選考でしたが、今年は、落ち着いて選考する事が出来ました。
さて、皆さん衣装選びにはとても悩む所かと思いますが、今年もヌメロの持つ特長に合わない衣装の方がおりました。次回また挑戦される方は、流行に流されず、このヌメロならこれ!舞台でどう見えるかを考えると良いと思います。ファルダの使い方が残念な方も何人もおりました。ブラッソは、とても綺麗なのにファルダの扱いが雑、そこら辺も参考にして次回に望んで欲しいと思います。

今回賞には届きませんでしたが、印象に残った方にコメントさせて頂きます。

川嶋紗瑛子さん
パリージョのテクニックは、素晴らしいですが、肘が内に入るのが気になりました。

岡田麻里さん
花があり切れ味も強さもあります。もう一息ですね。

山谷祐子さん
強さとしなやかさがあり素敵でした。

福井千嘉子さん
緊張しているようでしたが、マントンの使い方がとても上手でした。

大里尚子さん
強さとしなやかさ、華麗な身のこなし素敵でした。衣装をもう少し考えると良いと思います。

辻めぐみさん
とても素敵な踊りと振付でしたが、衣装が残念でした。

加藤のぶこさん
しなやかさと強さ、切れ味のある踊り素敵でした。

山﨑嬉星さん
初々しく、丁寧にしっかり踊られていました。これからが楽しみです。

高尾優子さん
バタ・デ・コーラの使い方がとても上手でした。

川田久美子さん
昨年よりもレベルアップしましたね。ソレポルもう少しシャープな感じの衣装だとさらに良かったかと思います。

森田志保(理事、バイレ)【Bs】

出演者の皆さん。鍛錬と研究を重ねて、今年の夏の灼熱をも呑み込み、それを超える「熱」を焦げるほどに受け取りました。本当にきつい夏だったと思いますが、踊り切ったその先、それぞれの方がまたひとつ先のステージに誇らしく立っている姿が想像できます。ミュージシャン含め、全ての出演者から学ぶものが山ほどありました。
いつも大変大変悩ましいのですが、新人公演として観るのか、選考委員として見るのか、頭と心が違うように、その見方は変わるように思います。皆さん7分の中で同じように狙いのあるものを力強く盛り込んでくるので、その力での比べ方にならざるを得ない。それ故、その人の本当の良さが見えにくくなっているように感じてしまいます。先生が透けて見えてしまうのも仕方のないことなのでしょうか。個人的には、何気ない余白のところにその人がやってきたものを感じたりします。あぁ、こんな切り口で学んできたんだ!という人たちが出てきたら、新人公演ってもっと面白くなるんだろうなと思っています。賞の方向性も変わってくるような。
後は、踊りだけではなく、ミュージシャンも含めて、その時間を味わっているので、そこでの関係の作り方や会話が見えるとグッと来ますね。
そして、今年もミュージシャンたちのお仕事はそれはそれは凄まじいものがありました!たくさんのoleが思わず漏れました。

以下、個人的に印象に残った方へのコメントです。
片野佳加 身体の強さと独特な香り。その丁寧さを持って別のニュアンスの言葉を探していけたらもっと膨らんでくるはず。
髙野正子 ちょっとした癖のある樫の木の様な味と相まった構成の妙により、最後まで引き寄せられる。
大里尚子 安定した舞踊性と物語。
加藤のぶこ タンゴあたりから内が入って本来の輝きが出てきた様子。
橋爪潤子 心の強さの尖り方が際立っている。
畑中美里 彼女にしかない不思議な魅力。情感豊かな海のうねりが見える。
木村久子 内側の意思の部分が体を動かしているのが見える。そのタイムラグが心くすぐられる。
地紙直美 上品な丁寧な踊り。最初の歌で足を揃えてレコヘールするところが好き。
吉田芽生 若いのにどこか懐かしい感じがする。図書館で本を一冊とって開いたら、引き込まれ最後まで読んでしまったと言うような踊り。清涼感が良い。独特な世界。
小林由佳 体にエネルギーが満ち満ちてパンパンになっている様子が良い。ミュージシャンたちとのマルカールが、もっと探しようがあるのかな。
荒濱早絵 自分の体と空間を使い切る力。伸びやかで奥行きと未来がある。

最後に
フラメンコに携わっている人はみんな愛情深い素敵な人ばかりで、お互い支え合っていて、アニフはその精神が形になっているんだとつくづく思います。外からは分かりにくいのですが、中に入ってみるとそれがわかります。

渡邊薫(理事長、バイレ)【Bg,Bs】

第32回新人公演出演者の皆様、熱演ありがとうございました。4年ぶりに通常の形に戻り行われた「新人公演」。今回も多彩な出演者で3日間心を熱くさせてもらいました。群舞は5組が各々異なった趣きで興味深く拝見致しました。5組中4組が地方からの参加、改めて地方のパワーとフラメンコの広がりを強く感じました。
バイレソロ部門は、毎年レベルが底上げされてきて、選考が大変でした。「その中でキラリと光るのは何?」決してテクニックだけでは無いことは皆さんも同感だと思います。踊り子の身体的素質も含め「7分間で何を表現したいのか?」「どの様に音楽構成をするのか?踊りとの三位一体とは?」等がバランス良く演じられた時、客席にいる者に届くものがあるのだと思います。

<群舞部門>
1.Las Tres Gracias:椅子の使い方に工夫があったサリーダ。各人の動きに個性があふれ振付、構成も上手くまとめられていた。少し固さが見てとれた。
2.響:バタ・デ・コーラ+マントンで4人→3人→1人と変化をつけて踊られたが、マントンの扱い方をもっと使いこなして欲しかった。エスエビ―ジャ時、バタを持ち上げすぎた。力作だと思うがもっと踊り込んで下さい。
3.LLAMAS DE FRAGUAS:バイレ、踊り子共に質が高く、静動の抑揚が効いていた。踊り子が生々としていて、上手い構成。終わり方が素晴らしい。
4.島崎リノフラメンコスタジオ DaiDai:群舞としてはユニゾンすぎた感がある。フォーメーションの工夫を。マントンの扱いが少し雑に見えたので、美しい動きになる様さらなる練習を。
5.El Viento de Toyama:3人の実力が揃っており、見ていて不安がなかった。1人だけマントンを使う、これにも工夫が見られた。何より3人の気持ちが1つに寄りそっていたのが好感度大。

<バイレ・ソロ部門>12日
◎奨励賞に推薦 〇次点 △来年に期待
1.川嶋沙瑛子:バタ・デ・コーラ+パリージョで挑戦。振付をもっと踊りこなして下さい。意識的にmedio brazoにしたのでしょうか?
2.本多清見:落ち着いた踊りで、自分らしさを知っているのでそれをもっと解放する表現をしてみては。抑揚をもっとつけると良い。毎回上達が見られるのが嬉しい。
〇3.青木千鶴子:7分間に随所に込めた想いが見てとれた。止まった後、無音→マルティネーテ部分が良い。終りへのもっていき方が上手い。
4.横畠由美子:パリージョの音量がバックのムシコスにかき消され気味で惜しい。使い所を工夫してみたらどうでしょう。上体が少し固いので、身体訓練をして柔軟な動きを身につけて下さい。
5.新田晶野:振りを追うだけでなく、己らの想いに問いかけそれを表現していく意識を。
◎6.岡田麻里:とても丁寧に踊っていて、リズムの切り替えが上手い。後半のタンゴでのはち切れ方が素敵。ドラマチックでこちら側に響いてくるものがあった。
7.仙場なお美:近年の中では良い出来だと思う。が、首、アゴの位置に注意。努力の跡が見てとれました。
8.平賀友子:後半の上体の崩れが惜しい。基本である身体造りに目を向けて下さい。
〇9.片野佳加:タラントらしいタラント。レマーテの切れが良い。あとは自分の想いをこちら側にもっと届けて欲しい。
10.酒井直子:動きに固さが見られる。体幹をしっかり保ちつつ、ブラソをもっとしなやかに使うことに気を付けて。
11.中原千惠:Guajiraのグラシアをもっと意識し表現する。きちんと止まることは大事です。
12.齋藤朋之:ヴェルタは安定してきた。今どの方向に進もうとしているのか?難しい歩きに挑戦(!?)しているが、自分に合った振付の再考を!
13.髙野正子:上体の引き上げが足りないせいか、首の前傾が気になった。
◎14.藤岡里織:集中力があり大人の雰囲気ある踊り。サパテアードもリンピオも。
15.瀧野晴美:コントロールされた動きだが、少し雑さが目立って惜しいです。
16.山谷祐子:マルカール時、唄振りの時ブラソの使い方に固さが気になった。緊張のせいか表情の固さも。
17.衛藤絵美:首のつけ方をもっと自然に。締めの時テンポが緩むのが気になった。
〇18.藤岡素子:振付をよくこなし踊っているが、こちら側に届いてこないのがとても惜しい。次回期待しています。
△19.千葉真優美:独自のアイレを持っている!すばらしい素質があるのでもっと踊り込んで。
20.大塚淳子:コルテ、レマーテが弱い。腰の浮きに気を付けて下さい。
21.前智美:Peso不足、コルテが弱い。もう1度振りに向き合って!
◎22.吉田智宏:吉田ワールドに引き込まれた!オリジナリティ満載のアレグリアス。爽快な風が吹き通って行った。
23.岩崎沙彌香:重心の問題だと思うが、サパテアードが浮いて聞こえてきた。
24.伊藤美恵:振付をなぞるのでなく、掘り下げて1つ1つのマルカール、パソを大切に。入り方までが踊りなので気をつけて。
25.菊原まり:楽しんで踊っているのが伝わってきた。ブラソを使う時の肩の上がりに注意を。
26.福井千嘉子:マントンのマネハールをもっと丁寧に。少し散漫にみえた。
27.檜直子:マルカールのPeso不足。踊り込んで気持ちに余裕がもてる様に。
△28.大里尚子:とても良い雰囲気で小気味良い踊り。その先にある深みを目指して下さい。

<バイレ・ソロ部門>13日
29.小野寺麻佑:自然な笑顔が好ましい。思い切りのよい踊りだが少し雑さが目立ったのが残念。
30.辻めぐみ:丁寧に踊っていて好ましい。目線が下向きが気になった。
△31.加藤のぶこ:サパテアードがリンピオ、粘りがあり小気味の良い踊り。
○32.中里眞央:サパテアードの強弱のつけ方が素晴らしい。タラント独自の雰囲気が伝わってきた。
○33.橋爪潤子:大人の踊り、思い切りが良い。エスコビージャに入る前の無音の保ち方が良い。
34.高橋亜也子:振りをもっと踊り込んで自分のものにして下さい。
〇35.畑中美里:エネルギッシュで自分の総てを出し切った。
△36.山﨑嬉星:以前より集中力、気迫が増していた。が腰の浮きが気になった。
37.木村久子:フラメンカな雰囲気。もっと身体造りをしてバランスの悪さの改善を。
38.小西千絵:サパテアード時のふらつきに注意。メリハリをつけて踊る。
〇39.地紙直美:Pesoがあり落ち着いたいい感じ。目線をもっと上に定めて。
40.佐藤雅美:腰をもっと安定させると、サパテアードがもっとリンピオになるのでは。身体の引き上げも。
〇41.中村太香子:独特のアイレがあり、思い切りの良さが出た踊り。あともう1歩。深みを見すえて。
△42.吉田芽生:バイラリーナ的要素の強い振付をよく踊っていた。首の前傾、腰の安定に注意を。
43.中川直美:追われて踊っている感があった。緩急をもっとつけて。
44.鈴木弘子:首が固定された様に見えた。もっと自然に振り、踊りについてくる様に。
△46.稲沢静:素直な踊りで好感がもてる。終り方が印象的。
47.持田賀津子:クセのある身体使いが、今回は悪い方に出てしまった感があった。
◎48.小林由佳:存在感のある踊り。ソレア→ロマンセ→ブレリアの流れが良かった。振付もよくこなしていた。
49.高尾優子:バタ・デ・コーラでのシギリージャ。上手く扱って踊っていた。後半少し荒さが目立ち残念。
50.奥田敦子:動きは良いのだが、緩急のなさが残念。
51.小林浩子:音のつくり方がおもしろかったし、工夫もあった。
〇52.川田久美子:全体的にまとまった踊り。口の開きが度々気になった。
53.折橋恵子:前回よりず~っと上達している、ブラソの表現をもっと豊かに。
〇54.常盤直生:大胆な動きで、両手を広げるポーズが印象的。次回を楽しみにしています。
55.宇田川元子:唯一のクラシコ・エスパニョール!よく挑戦して下さいました。正に岡田昌巳先生へのオメナヘ。
◎56.荒濱早絵:踊りの流れがとても自然。久々のフラメンカな振りが合っていた。

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宇根由佳フラメンコソロ公演「光と影~Sol y Sombra~」 https://www.anif.jp/event/anifsponsor/0406solysombra.html https://www.anif.jp/event/anifsponsor/0406solysombra.html#respond Fri, 08 Mar 2024 08:55:53 +0000 https://www.anif.jp/?p=8889 4月6日(土曜日)開場17:00/開演17:30 ロームシアター京都 ノースホール 宇根由佳、宇根理浩、エミリオ・マジャ、マヌエル・デ・ラ・マレーナ、ディエゴ・ゴメス 大人5,000円 / 小学生~大学生3,000円 0 […]

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日時
4月6日(土曜日)開場17:00/開演17:30
会場
ロームシアター京都 ノースホール
出演
宇根由佳、宇根理浩、エミリオ・マジャ、マヌエル・デ・ラ・マレーナ、ディエゴ・ゴメス
料金
大人5,000円 / 小学生~大学生3,000円
お問い合わせ
075-341-5582 / esencia@marble.ocn.ne.jp / https://www.uneyuka.com/

“フラメンコを踊り続けて25年をこえる宇根由佳の初ソロリサイタル。 人生の中で培ったフラメンコのエッセンスが凝縮した舞台を 信頼する仲間と共に人生の光と影を織り交ぜて紡ぎあげる。 2023年度スペインでの「フラメンコ・プーロ国際コンクール」 Solistas Profesionales Senior部門優勝記念公演。”

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estudio Almendro https://www.anif.jp/class/estudio-almendro.html https://www.anif.jp/class/estudio-almendro.html#respond Wed, 13 Mar 2024 06:50:21 +0000 https://www.anif.jp/?p=8882 https://www.anif.jp/class/estudio-almendro.html/feed 0 [35期 会員更新 (2024年4月~2025年3月分 年会費)について] https://www.anif.jp/information/announce/renewal240301.html https://www.anif.jp/information/announce/renewal240301.html#respond Fri, 01 Mar 2024 06:34:18 +0000 https://www.anif.jp/?p=8879 ●口座自動振替 3/27(水)に登録の銀行口座から自動で引き落としとなります。一度ご登録いただけば再度お手続きの必要はありません。 新規お申込みは3/6(水)まで受け付けられるようになっています。 NSSインターネット口 […]

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●口座自動振替

3/27(水)に登録の銀行口座から自動で引き落としとなります。一度ご登録いただけば再度お手続きの必要はありません。

新規お申込みは3/6(水)まで受け付けられるようになっています。

NSSインターネット口座振替受付サービス
団体コード 0943191

 

●銀行振込・郵便振替

口座自動振替のご登録がなかった方には、銀行振込または郵便振替にて、3/31(日)までのお支払いにご協力ください。振込/振替先は下記のとおりです。3月中旬から順次、郵送でもお支払いのご案内をお送りしてまいります。

銀行振込み 三菱UFJ銀行 中野駅前支店 普通 0191823 一般社団法人日本フラメンコ協会

郵便振替 00180-2-143166 一般社団法人日本フラメンコ協会

 

※会員証は4月中旬の会報と一緒に発送いたします。

※3/31(日)以降も更新手続きは可能ですが、会員証の発送が後になります。

 

35期もどうぞよろしくお願いいたします。

 

2024.03.15 追記

会員皆様に郵送いたしましたご案内では、郵便振替の番号に脱字がございました。

文書校正のミスによりご迷惑をおかけいたしまして申し訳ありません。当ページに記載の番号にてお手続きくださいますよう、お願い申し上げます。

尚、本件につきましてはメールアドレスご登録のある全ての会員の皆様にメールにてご連絡、また昨年度ゆうちょ振替をご利用の皆様には順次、お詫びと訂正のハガキを発送しております。

何卒よろしくお願いいたします。

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https://www.anif.jp/information/announce/renewal240301.html/feed 0
3/9(土)・3/10(日)【ダンスプラン2024 全国新人舞踊公演(通算138回)】 https://www.anif.jp/event/anifsponsor/240309 https://www.anif.jp/event/anifsponsor/240309#respond Fri, 09 Feb 2024 05:38:09 +0000 https://www.anif.jp/?p=8875 https://www.anif.jp/event/anifsponsor/240309/feed 0 【訃報】井上正美 氏 ご逝去のお知らせ https://www.anif.jp/information/announce/20240222.html https://www.anif.jp/information/announce/20240222.html#respond Thu, 22 Feb 2024 11:12:51 +0000 https://www.anif.jp/?p=8870 各位   照明家の井上正美さま(株式会社エクサート 相談役 / 元 常務取締役) 令和6年2月7日 76歳にて永眠されました 葬儀は故人のご希望により 近親者のみで執り行われたとのことです   井上先 […]

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各位

 

照明家の井上正美さま(株式会社エクサート 相談役 / 元 常務取締役) 令和6年2月7日 76歳にて永眠されました
葬儀は故人のご希望により 近親者のみで執り行われたとのことです

 

井上先生は、当会主催「新人公演」の第1回(1991年)から昨年の第32回までの照明を務めていただいた他、フラメンコ界のさまざまな舞台作品でご活躍された、無二の方でした

ご遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げますとともに、謹んで井上先生のご冥福をお祈りいたします

 

一般社団法人日本フラメンコ協会

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https://www.anif.jp/information/announce/20240222.html/feed 0
2/16(金)・17(土)・18(日)【石井智子スペイン舞踊団公演「みだれ髪」】 https://www.anif.jp/event/anifsponsor/240216 https://www.anif.jp/event/anifsponsor/240216#respond Fri, 19 Jan 2024 00:42:01 +0000 https://www.anif.jp/?p=8866 https://www.anif.jp/event/anifsponsor/240216/feed 0 1/28(日)【Fuente ~心葉~ 第12回発表会】 https://www.anif.jp/event/anifsponsor/0128solysombrafuente.html https://www.anif.jp/event/anifsponsor/0128solysombrafuente.html#respond Thu, 28 Dec 2023 06:35:30 +0000 https://www.anif.jp/?p=8856 ① 2024/01/28 1月 サイトにあり 確認中 フラメンコスタジオ SOL Y SOMBRA Fuente ~心葉~ 第12回発表会 2024年1月28日(日) 13:00/17:00(2回公演) 刈谷市文化センタ […]

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① 2024/01/28 1月 サイトにあり 確認中 フラメンコスタジオ SOL Y SOMBRA Fuente ~心葉~ 第12回発表会 2024年1月28日(日) 13:00/17:00(2回公演) 刈谷市文化センターアイリス小ホール 自由席3,000円 予約席3,800円(一部指定席・親子席・車椅子席) フラメンコスタジオ SOL Y SOMBRA 生徒、YUKAKO、山﨑まさし、佐久間瑛士(ギター) 永潟三貴生、水落麻理(カンテ) 三木重人(バイオリン) 0566-28-8186 yukako.flamenco@gmail.com https://sys-flamenco.jp/index.html 今回は2回公演です。出演者50名、ミュージシャンは東京を中心に5名のメンバーでお届けします!内容は2時間を予定。みなさま、お誘いあわせのうえ 是非ご来場ください♪  ※サイトより転載

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